セックスレスだった妻との愛を取り戻す。愛おしさと幸せに包まれた結婚10周年記念日
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セックスレスだった妻との愛を取り戻す。愛おしさと幸せに包まれた結婚10周年記念日 (ページ 1)
なぜセックスレスになったのか。
理由を聞かれてもわからない。
ただ仕事が忙しくて、そちらに気を取られていただけ。
麻由子のことが嫌いになったなどということはなかった。
お互いが40を過ぎたある時、麻由子に泣きながら訴えられ…自分の至らなさを痛感した。
僕たちに子どもはいない。
だからこそ、かけがえのない妻を大切にするべきだったのに。
そこから時間をかけ、少しずつ触れ合いながら、僕たちは歩み寄り続けてきた。
今日は結婚10周年記念日。
僕は麻由子をもう1度大切に抱きたいと思っている。
思い出のあるホテルのレストランと、スイートルームを予約した。
僕の想いが麻由子に届くことを願って会社を出る。
*****
「久しぶりに来た…ここ、あなたがプロポーズしてくれたレストラン」
麻由子は嬉しそうに夜景を眺めている。
遠い昔のように感じていたが、10年ほど前のできごとだ。
それなのに麻由子のことをないがしろにしていたなんて。
また少し、後悔で胸がチリリと痛んだ。
ほどなくして、料理が運ばれてくる。
麻由子と話し合う前は、食事の時間すら仕事のことを考えていた。
「なぁに?また考えごとしてるの?」
「いや…僕はキミのことを本当にないがしろにしていたんだなと…」
そこまでではなかったけれど、と麻由子は笑う。
この温厚な性格に惹かれて、結婚を考えたのだった。
「食事は楽しむって決めたでしょう?」
子どもを諭すように言われ、ごめんとつぶやく。
「今日のあなた、ずっと難しい顔してる。お料理が台なしになるわよ」
そう言って麻由子は、また柔らかく笑った。
デザートが届き、いよいよ食事も終盤を迎える。
「麻由子…」
緊張で声が震える。
「すごくベタかもしれないが…」
おそるおそる差し出した真紅のケースを見て、麻由子は目を丸くした。
中にはホワイトゴールドの華奢なイヤリング。
手元にアクセサリーがあるのを好まない彼女は、結婚指輪以外を着けることがなかった。
「これなら邪魔にならないかと思って」
「ありがとう…綺麗…」
目をキラキラと輝かせて喜ぶ姿は、出会った頃と変わらないように見える。
食事を終えプレゼントも渡したところで、部屋へと移動することにした。
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