触れるだけで崩れていく身体と、彼の我慢の限界点 (ページ 2)

「…朝比奈さん、こんなところで…」

「誰も来ない。昼休みは施錠されてる」

淡々と言いながらも、目は笑っていない。
逃がす気がない。

彼は私の腰に手を添え、ぐっと引き寄せた。
その動作だけで、呼吸が止まりそうになる。

「我慢してた。ずっと」

耳元で囁く息が熱い。
背中に電流が走った。

「お前が悪いんだ」

彼の声は低く、少しだけ怒っているようにも聞こえる。
でも、その怒りの根は欲だ。

「…昼休みだけじゃ足りない」

口にするのも恐ろしくて、私は目を伏せた。

「終業後、ついてこい」

決定事項のように言う声。
反論する隙も与えない。

「どこに、ですか」

「教える必要あるか?」

その冷たい言い方が、逆に心を掴む。
胸の奥で、何かがじん、と疼いた。

「…はい」

絞り出した声に、彼は満足そうに目を細めた。

「いい子だ」

*****

終業後、私は誰よりも早くPCを閉じた。
同僚に「珍しいね」と笑われ、心臓が口から出そうなほど緊張しながらエレベーターへ向かう。

でも、そこに彼はいた。
ポケットに手を入れたまま、無言で私を待っている。

「…本当に来たんだな」

呆れたように言うその声は、どこか嬉しそうだった。

エレベーターの扉が閉まった瞬間、
彼の指が私の手首を掴む。

強すぎない。
でも逃げ場のない力で。

「ずっと…昼から、我慢してた」

彼の呼吸が近い。

「お前のせいだ。水着の写真も、今日の目線も」

額が触れそうな距離。
胸の奥が震え続ける。

扉が開くと、彼は私を引いた。

向かう先は彼の車。
夜の街は、雨で濡れたアスファルトが反射して輝いている。

「…朝比奈さん」

「黙って乗れ」

助手席のドアが開けられる。
その仕草が妙に優しくて、逆に胸が締めつけられる。

ドアが閉まると、車内の静寂と彼の体温だけが空間を満たした。

「ホテル、予約してある」

静かに言いながらエンジンをかける。

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