姉が帰ってくる、その前に―ラスト5分でイけるのか、イけないのか― (ページ 5)

そのとき――。

聞き覚えのある音楽がリビングに鳴り響く。
スマホの着信音だ。 

私たちは顔を見合わせ、「ごめん」と一言言って彼が自分のスマホに視線を落とす。

「…あいつだ」

――誰のことか、すぐに分かってしまった。

「あ、もしもし?」

典弘くんは、ついさっきまで妹の身体を愛撫していたとは思えないさわやかな声で電話に出た。

「…おぉ、よかったな。あと何分くらいで家に着くの?」

そう尋ねる彼の指先は、ソファの背もたれをトントンをせわしなく叩いている。

「オッケー、あと十五分くらいね。じゃあ、気を付けて」

そう言って電話を切ると、典弘くんは渋い表情で私に言った。

「あと十五分であいつ、帰ってくるって」

その言葉に、私はどんな表情を浮かべていただろうか。

 
私は無言のまま、身支度を整え始める。

その手を彼がつかんだ。

「もう少しだけ、続きがしたい」
「でも、もし早めに帰ってきたら…」
「あと、五分だけ時間がほしい」

ニュースを伝えるキャスターの落ち着いた声が、耳に入ってくる。
テレビ画面の端に目をやると、もうすぐ十六時。
 
五分で、どこまで出来るかは分からない。
けれど――ここで終わりにするよりも、お互い満たされるかもしれない。

「じゃあ、十六時五分まで…」

私はそう言うと、スラックスとショーツを脱いだ。

そしてソファに横たわり、典弘くんが覆い被さってくる。

濡れそぼった箇所に、彼の指先がそっと触れた。
クリトリスを撫でられ、私の膣内は細やかに震える。

「あぁっ――! そこ、いい、いい…っ!」
「すごく大きくなってるよ。ひよりちゃんのクリトリス」
「もっと触ってぇ…あぁあ、あ、あっ…」

彼は服の袖をたくし上げた。
奥に入ってくる、二本の指。
くちゃり、と響く小さな水音。

「指、動かしていい?」
「お願い、激しくしてぇっ…」

くちゃ、くちゃ、と淫らな音に合わせ、私の声も高まっていく。

「あっ、あ、ぁぁ、ダメッ、イく、イっちゃう…」
「いいよ、イって」
「イく、イくぅっ…あっ!」

快感の波は最高潮に達し、子宮の奥で白く弾けた。
下半身が痙攣し、私は身体をのけぞらせる。

「――イっちゃった…」

呆然としながら呟くと、典弘くんは微笑んだ。
そして愛撫をしていた手とは逆の手で、私の頭を撫でた。

――家の前に自転車を置く音が、鼓膜に届いた。
私は急いで服を身に着け、彼は手を洗いに行った。
 

「おかえり、お姉ちゃん。典弘くん、来てるよ」

そう言った私は、上手く笑えていただろうか――。

-FIN-

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