カラオケルームにて、年下男子に抱かれる夜。――マイクが入ってるのに、声が我慢できなくて…

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カラオケルームにて、年下男子に抱かれる夜。――マイクが入ってるのに、声が我慢できなくて… (ページ 1)

中谷くんと二人きりになるのは、今日が初めてだった。

私はマイクを握り、流行りの曲を熱唱する。

「須藤先輩。バイト終わったら、カラオケでも一緒に行きません?」

中谷くんは腕まくりしていたワイシャツの袖を下ろしながら、私に言ってきた。
彼はくりくりとした大きな瞳と透けるような白い肌が印象的な、バイトの後輩だった。
中谷くんのことは少し気になっていたので、私は二つ返事で了承した。

「須藤先輩、本当に歌上手いですね」

端末から顔を上げ、微笑む中谷くん。
その笑顔は、無邪気な少年のようだった。

私はスマホをちらりと見る。
もう夜十時を過ぎていた。
私は彼に言った。

「もう十時過ぎてるし、あと一曲ずつにしよっか」

 
中谷くんはこくりとうなずいた。
その横顔は、どことなく寂しげだった。

最後の曲を歌っていると、おもむろに中谷くんが立ち上がった。
そして、ドアの前に立っている。
私は彼のことが少し気になったが、歌うことに集中した。

 
ガチャッ。

突如響く、無機質な鍵の音。

「え…?」

私は思わず歌うのを中断した。
彼は振り返り、温度の感じられない瞳をこちらへ向けた。

「僕、前にここでバイトしていたんです。スタッフキー、合鍵作ってあったんですよね」

悪びれた様子が一ミリも感じられない声に、背筋がぞくりとした。
中谷くんは落ち着いた口調で続ける。

「だから、今日ここのカラオケにしたんです。…須藤先輩を、閉じ込めたくて」

その言葉に、鳥肌が立った。
これから私はどうなるのか、想像するのはたやすいことだ。
考えるだけで、怖かった。

 
でも、それ以上に…どこか胸が高鳴る自分もいた。

「中谷くん、最初からそのつもりだったの?」

私はマイクを下ろし、立ちすくんだまま尋ねた。

「逃げたかったら、逃げてもいいですよ。でも僕、ドアの前に立ってますから」

そんなことを言われたら、逃げる気など起きなかった。

中谷くんが、近づいてくる。
そして――マイクを握った右手をつかんだ。
彼の手のひらは、氷のようにひんやりとしていた。

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