チャラ男の告白と甘い囁き。苦手だったのにどうしてこんなに感じるの? (ページ 2)
ある日私は大学の資料室に、課題に必要な資料を探しに来ていた。
ここを利用する生徒は滅多にいないので、中に入るとシンとした静寂が返ってくる。
左右に本がいっぱい詰まった棚。
それを順番に確認しながら、目当ての資料を探していく。
そんな私の背後で、カチャリとドアが開く音がした。
誰だろう。
私と同じように資料探しに来た生徒だろうか。
入口を振り返ると、心臓が跳ねた。
「あ…」
「よお、探し物?」
悠也は軽い調子で言った。
「うん、課題の資料を…」
「俺もそのつもり。もう見つかった?」
「ううん、量が多くてなかなか見つけられなくて」
「一緒に探すよ、その方が早いっしょ」
「あ、ありがと…」
気になる相手と2人きり。
気まずくて仕方がない気持ちと、ほんのりと嬉しい気持ちがまぜこぜになっていた。
(あ、あそこかも…)
資料のありそうな場所を見つけた私は脚立を運んでその上に乗る。
「よいしょっと…って、きゃあ!」
「早紀…?危ない!」
ロックがうまくかかっていなかったのだろう、気付けば脚立が倒れかけていた。
焦ったような悠也の声と共に、私は脚立から落ちた。
「よっ…と」
てっきり資料室の固い床に倒れこむと思ったけど、寸前で悠也が私を抱え込んでいた。
「あぶねー、でもよかった。間一髪」
「あ、ありがと…ごめん」
「…顔真っ赤、どうしたの?」
「え!?あの…その…近くて…」
急接近した悠也の顔。
この間の電車の中では悠也は背中を向けていたけど、今は向かい合っている。
それが恥ずかしくて、私は顔を真っ赤にしていた。
「近いとなんで駄目なの?」
そんな私をからかうように、悠也は更に密着してきた。
まるで面白がっているような笑みを浮かべて。
「も、もういいでしょ…助けてくれたのは嬉しいけど、離してよ…!」
いつの間にか悠也の腕が腰に回って、掴まれていた。
これでは手を離してもらわないと動けない。
「やだ」
「やだって…なんでよ、意地悪しないで」
「じゃあ離す前に答えて。…早紀さ、俺のこと最近かなり避けてない?」
「え?」
いつもの軽い感じから一転、悠也の顔は真剣だった。
初めて見る表情に、心臓が更にうるさくなる。
「ね、答えて。俺のこと嫌い?」
「嫌いなんて…」
「じゃあ、好き?」
「…」
「なんで黙るの?言わないってことは、肯定ってこと?」
声が途端に低く、甘くなった。
意地悪な尋問だ。
こんなの…答えられるわけない。
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