年下同期と地下倉庫に閉じ込められて…。お互いの体温を求めて激しく抱き合う (ページ 3)

「寒い?」

遠夜くんに聞かれて素直に「寒い」と返す。

今は十二月。事務服を着ている私は、薄いシャツの上にベスト一枚という格好だ。

暖房が効いているスペースなら平気だけど、もちろんここにそんな設備はない。

「古いストーブとか置いてあったりしないかな…」

「古いストーブは怖くない?」

「だよね」

はあ、と吐く息はほんのりと白かった。

私はシャツの上から自分の腕を撫でる。体がどんどん冷えてきているのがわかった。

「はい」

急に肩に温かい何かが乗る。

少し重みがあるそれは、スーツの上着だった。

「いやいや遠夜くんだって寒いでしょ」

白いワイシャツ姿になってしまった遠夜くんに、スーツの上着を押し付け返す。

「僕は鍛えてるから…」

大丈夫だと言う遠夜くんに、反射的に嘘だろ、と心の中で嘘認定してしまってから、私は遠夜くんの体を見る。

上着を着てる時には全くわからなかったけれど、その胸板は予想外に分厚く見えた。

私は無意識のうちに、遠夜くんに手を伸ばして、そこに触れていた。

「亜希さん!?」

専門学校卒で年齢が私より二個下なせいか、遠夜くんは私のことをさんづけで呼ぶ。

「本当だ…、めっちゃあったかい…」

冷えた指先に、遠夜くんの体温が染みる。

痴女みたいな真似をしてるな、と自覚をしながら、その温かさが惜しくて手を離せない。

遠夜くんは動揺しているようだったけど、しばらく目をさ迷わせた後、上着を再び私の肩にかけて、私の体を正面から包み込むように抱き寄せた。

今度は私が動揺する番だった。

「え?」

「こうしてれば、少しは温かいから…」

遠夜くんの声が耳のすぐそばで聞こえる。

そういえば、遠夜くんって案外いい声してるんだよね。そう思うと、胸の奥の方がじわっと熱くなった気がした。

私も戸惑った後、遠夜くんの腰に手を回した。

しっかりと筋肉がついた体は、触れるほどに温かく感じた。

*****

遠夜くんの手が私の頬に触れるまで、そんなに時間はかからなかった。

嫌悪感はなかった。

むしろ、冷えた体はその手の温かさを待ち望んでいた。

「ごめん。キスしていい?」

遠夜くんの声が問う。

「なんで謝るの?」

そう言って、私は目を閉じて彼を待った。

すぐに唇が重なる。

これが遠夜くんにとってのファーストキスだったらどうしよう。申し訳ないな、という気持ちが一瞬頭の中をよぎる。

けれどそんな余分な感情は、すぐに口内を探られる快感に消え失せた。

「…んっ」

おそるおそるといった感じで丁寧に、遠夜くんの舌が私の口の中を撫でて回る。

同時に背中を手のひらで撫でられる。

その温かさを受け入れると、体の中にどんどんと熱が溜まっていくのを感じた。

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