長い片想いに疲れていた私は恋愛経験のないまま… (ページ 3)

「俺なんか、高校のとき、14、5人は、いってたよ。」

そうなのだ。

雨宮さんは、すごいモテたらしい。

だから、女の子ともいっぱいシてるんだって。

雨宮さんは、会うたびにこんな武勇伝を語ってくる。

でも、私は

「だから、なによ。」

といつも心の中で思ってしまう。

いくら経験がなくたって、きちんと一人を想えるほうが素敵。

そう信じているからだ。

「あ!ゆまちゃん、今、俺のこと、軽いって思ったでしょ?」

「えっ・・・いや。そんな・・・。」

「だと思うよ。俺も。」

「・・・。」

雨宮さんはタバコの火を消した。

「大して好きでもない子と沢山付き合うより、一人をちゃんと想えることのほうが大切だよ。正しいと思う。」

そんなこと、考えるひとだったんだ・・・。

「でもさ、ゆまちゃんは、辛くないの?」

「・・・。」

そんなこと、聞かないでよ。

わかってるくせに。

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