親が決めた結婚前夜、ずっと好きだった執事の彼に初めてを全部捧げます (ページ 2)
ベッドが軋んだ。
レオに押し倒されている。
レオの目に宿る熱は、立場を超えて、支配の色を宿していた。
閉じられた瞼にレオの唇が落とされる。
右、左、それから鼻先。
焦らすような速度で、けれど触れるたびに熱を刻んでいく。
「すみません、優しくできる自信、ないです」
ドレスから覗く肌にレオの指が滑る。
布越しに伝わる体温を確かめるように、鎖骨から肩へ、肩から首の後ろへ。
レオの呼吸も乱れ始めていた。
しかしその手は震えていない。
主人と一線を超える覚悟を決めた男の手だった。
レオの唇が耳元へ落ちる。
熱い吐息が直接肌を撫でた。
「声、我慢しないでくださいね。全部聞かせて。…貴方の初めては全部、僕が貰う」
「わ、かった」
支配的な言葉にアリスの心臓がドクドクと音を立てる。
アリスが髪につけていたリボンが解かれ、さらりと髪が零れ落ちた。
解かれた髪の内側にレオの手が滑り込む。
後頭部に触れる彼の指先に体を委ねていれば、唇が触れる。
「んっ、ぁ…」
レオの指がドレスの背の編み上げにかかり、結び目はするするとほどかれていった。
普段はレオが丁寧に結ぶその編み上げを、今は彼自身の手がほどいている。
その背徳に頭がどうにかなりそうだった。
「ここから先へ進んだら、戻れませんよ。本当にいいんですね?」
震える声が最後の確認をする。
レオは瞳の奥に炎を灯しながら、返事を待っている。
「子供扱いしないでちょうだい。自分で言った言葉の意味くらい分かってるわ」
アリスは微笑んで背中を弓なりにしならせる。
ドレスが肩から滑り落ち、肌が露わになった。
露わになった白い背中にレオが息を呑んだ。
一瞬の沈黙。
編み上げを解き終えたレオの指先が背骨のラインをゆっくりとなぞり始める。
爪の先が皮膚をかすめる絶妙な距離で。
鎖骨に唇が落ちた。
「分かりました。では…」
コメント (0)