初恋の幼馴染とまさかの再会をした私。数年ぶりの彼の部屋で、今度はオトナの時間を過ごす (ページ 2)
「お、お邪魔しまーす…」
「いらっしゃい」
変に緊張してしまって声がうわずる私を、律樹さんはにこやかに迎え入れてくれた。
断られたら、それを最後にこの恋は終わりにしようって決めていたのに。
律樹さんは「いいよ、また昔みたいに話したいな」なんて優しい声で受け入れてくれた。
「律樹さんの部屋入るの、めっちゃ久しぶり…」
律樹さんの部屋はよく整理されていて、実際の大きさ以上に広々として見える。
「ねえ、世那」
久しぶりに訪れた部屋を見回していたら、どこか複雑そうな表情をした律樹さんに呼び止められた。
「…世那がよかったらでいいんだけど、また昔みたいに、律樹くんって呼んでほしいな」
「…え?」
突然の言葉に驚いて、思わず律樹さんを見上げる。
「実はさっきも、忘れられてたらどうしようかと思って、びくびくしながら声かけたんだ。世那がまだ俺のこと覚えてくれてて安心した」
「そんなわけないよ! 忘れるわけ…ない」
私はあわてて否定したけど、最後の言葉は少しだけ震えていた。
「中学、高校って進むにつれて、一緒に遊ぶことも少なくなっていって。俺は世那に嫌われちゃったのかな、ってずっと不安だった」
「っ、それは…。中学でも高校でも、私が1年生のとき、律樹さんはいっつも3年生で、私からみたら大人の人って感じで」
たどたどしい私の言葉を、律樹さんはゆっくりと頷きながら聞いてくれた。
「本当はもっと話したかったし、一緒にいたかったけど。こっちから話しかけに行くのは迷惑かなとか、思っちゃって…」
「…そう、だったんだ。俺も、世那と同じようなこと考えてた」
律樹さんは、安心したようにふっと笑って、こう続けた。
「だからまた、昔みたいに呼んでほしいんだ」
目を合わせたままは恥ずかしくて、私は少しだけ俯いてから、おそるおそる名前を呼ぶ。
「…律樹、くん」
「うん、やっぱりその呼び方、すごく嬉しい」
律樹くんは照れたように微笑んで、私もつられて笑顔になる。
それから、律樹くんは迷うように一つ息をついてから、私の目をまっすぐ見つめた。
「俺、世那ともっと一緒にいたいよ」
「…っ!」
不意打ちのように投げられた言葉に、私の心臓はどきりと跳ねた。
「昔みたいに…って言いたいけど、俺はもう、世那のことをただの幼馴染としては見れないから」
うるさい心臓の音を聞きながら、律樹くんが口にする言葉の意味を、少しずつ追いかけるように理解していく。
「だから、もし世那がよかったら、これからは俺の隣にいてほしい」
決定的なその言葉を、私は都合のいい聞き間違いなんじゃないかと思わず疑った。
だけど、律樹くんの真っすぐな瞳が、慈しむような表情が、これが夢ではないことを訴えかけてくる。
「…うん、私もずっと、律樹くんのことが好きだった」
「本当?」
「うん、本当」
「そっか…じゃあ、改めて。俺も世那が好きだよ」
その言葉を聞き届けてすぐ、私は律樹くんに抱き寄せられた。
ずっとすれ違っていた気持ちが、ようやく一つになった瞬間だった。
心と心が繋がるように、私たちは自然と引かれ合って、優しく触れるだけのキスをした。
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