迷路内の小部屋で後ろから奥まで突き上げられて…こんなところで気絶するほどイッてしまうなんて! (ページ 2)

他にドアが二ヵ所あった。

多数の人が訪れるはずの迷路だというのに、絨毯もベッドも、部屋そのものが掃除を済ませたばかりのように綺麗だった。

あまりにも予想外なこの場所に、二人は戸惑い、顔を見合わせた。

突っ立っていても仕方がないのでベッドに近づいてみると、そこには一通の手紙が置かれていた。

高級そうな白い封筒を怪訝そうに見つめる二人。

「何なんだ、いったい…」

剛太がそれを手に取り、中身を確認する。

丁寧に折りたたまれた便箋に書かれていた内容に、剛太は目を見開いた。

ただならない彼の様子に、千春も便箋を覗き込む。

まず目に入ったのは、

『エッチしないと、この部屋からは出られません』

という一文だった。

すぐに剛太が入ってきたドアへと走りノブを回すが、鍵がかかっているのか開かない。

千春も他二つのドアを確かめたが、一つは開かず、もう一つは何故かシャワールームに繋がっていた。

二人は部屋の隅々まで鍵を探したが見つからない。

「ちょっと、何なのっ」

憤る千春の肩に、剛太の手がそっと置かれる。

「あのさ…俺、実はちょっと変だなって思ってたんだ。この迷路、建物の外観のわりには広いな…と」

「え…えぇ?それって、どういう…」

「俺達、変なところに入り込んじゃったんじゃないか?」

「変なところって何よ」

千春は、寒くもないのに背筋がぞわりとするのを感じた。

「わ、笑うなよ?例えば、魔法的な仕掛けにかかっちゃったとか…」

「ま、まほう?」

剛太の突拍子もない考えに、千春は目をぱちくりさせる。

「ドアの鍵はないし、壊せるような道具もない…だから」

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