偶然隣り合わせた美容師と意気投合して…憂鬱な出張が巡りあわせたときめき (ページ 2)

ああ、帰りたい。

「はい。これ飲んで、いったん休憩しましょう。」

缶コーヒーが手渡された。

「だってそのままじゃ、眉間のしわ、固定されちゃいますよ?」

穏やかに笑われた。

私、そんな顔してたんだ!

温かいコーヒーはほっとした気分にさせてくれた。

隣のひとの笑顔も。

「眉間のしわ、なくなったね」

里崎さんは私を見つめ、にっこり笑った。

陽が落ちると、街の風が少し冷たい。

温かいコーヒーに気が緩み、つい愚痴ってしまった。

里崎さんは温かく聞いてくれた。

観光してリフレッシュしようと誘われ、互いの名を知り、たくさん食べたくさん笑った。

「観光してない~、飲んで食べてばっかり!」

少し酔った私は、笑いながら里崎さんの肩をぱしぱし叩いた。

「ごめん、実はそんなに知らなくて。愛知出身はほんとだけど、名古屋はあんまり・・・」

じっと見つめられた。

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