海外で英国エロ紳士とアバンチュールの夜。青い目で見つめられ、とろける私 (ページ 2)

 
「今から迎えに行くよ」

 ジェームスから連絡が入ったのは八時を回っていた。

 狭い部屋のベッドの上で、少し睡魔に襲われていた千里は慌てて準備を始める。着替える必要はないけれど、化粧を直し、黒髪に合うように赤いリップをつけてみた。

「ハイ!ワオ!ちょっと雰囲気が変わってセクシーだよ」

 出会ってすぐにジェームスが千里を誉める。褒められることに慣れていない千里だが、素直に嬉しい。

 そのジェームスもTシャツからシャツに着替えていて、紳士度が上がる。

 ジェームスは徒歩で行けるパブを提案してくれた。どうやら、ジェームスのアパートと千里のホテルの中間点らしい。

 歩きながらも、さらっとエスコートをされ、まるでボーイフレンドかと錯覚するほどの距離感。ジェームスのお喋りは面白く、話題に尽きることもない。

 来年には日本に行ってみたいとか、好きなアニメの話、日本人の印象など、ジェームスが一つ年上で親日家だということはよくわかった。

 あっという間に二人はパブに到着した。

 平日の夜だというのに、パブには大勢の人が集まっていた。サッカーの試合がいくつものモニターに流れていて、それを見ながらグラスを片手にサッカーについて話をしているようだ。

 その光景はテレビでよく見かける光景で、千里は思わず嬉しくて笑みがこぼれる。

「ご機嫌いかが?」

 ジェームスが千里の顔を覗き込む。

「もうすでに楽しい」

「俺もね」

 こうして、千里の念願の黒ビールは、出会ったばかりの白人男性と乾杯をして味わうことになった。

 決してごくごくと飲める味ではないけれど、疲れた体と、旅のテンションの千里には丁度よい苦さだ。少しずつネイティブの英語にも慣れ、お酒も入った千里は饒舌になっていた。

 改めてジェームスの顔を眺めてみる。鼻が高く、唇は薄く、産毛も金髪で、小顔。日本にいたら絶対にモテそうだと思った。

「どうしたの?」

 ジェームスが千里に声をかける。

「いや、時差ぼけがきちゃった感じで…」

「眠くなってきた?」

「ううん、なんか高揚した気分」

 千里がとろんとした表情で答えると、ジェームスが千里の腰に手を回した。それは、とても自然で千里を簡単に勘違いさせる。

 ジェームスの距離が近付く。レディーファーストであること、外国人のスキンシップは日本人とは違うこと、そんなことをわかってはいても、お酒が入った大人の男女には関係ない。

 千里は少しずつ男女のソレを期待し始めていた。

 千里は外国人との経験はなかった。学生時代から知人はいても、深い付き合いはない。

 ふにゃチンが多いとか、あそこが馬のようにデカいとか、体臭がきついとか、そんな嘘か本当かわからないようなイメージしかなかった。

 ジェームスは自分が回した手の上に、千里の手をのせた。まるで恋人がハグをしているような感覚だ。

 そして、指を使って攻撃を始める。手のひらを上に向け指と指を絡ませると、指の間を指先で何度も往復し始めた。

 全く嫌ではない。このままずっと触られててもいいと思える心地よさだ。

 千里はジェームスの手の産毛を撫でる。日本人にはない産毛の柔らかさと感触が気に入った。たったそれだけのことなのに、千里は一気に欲情し始める。

 ほんの少し右に体を傾ければ、ジェームスの胸にもたれかかれるのに。

 千里の体から何か女性特有の香りが出ているかのように、ジェームスを挑発しているのは間違いなかった。

「オー!」

 モニターに向かって歓声が起こった瞬間、ジェームスが千里の頬にキスをした。

「唇は?」

 千里がそう聞くと、ジェームスが唇をチュッと重ねた。ここは日本じゃないんだと、千里は実感した。

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