目の前はガラス越しの奇麗な花火!いたずらな彼の手が浴衣の中に忍び込んできて…!?
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目の前はガラス越しの奇麗な花火!いたずらな彼の手が浴衣の中に忍び込んできて…!? (ページ 1)
「今年は花火が見えるホテルを予約しちゃった」
私と健吾が付き合って一年の記念日。
待ち合わせ場所で会うなり、照れた顔でそう言った健吾があまりにもかわいくて、私は人目も気にせず抱き着いてしまった。
「去年の茉里奈、人が多くて大変そうだったから…」
健吾の大きな手が、私のお団子にした頭を優しく撫でる。
その気持ちよさを享受しながら、私は去年のことを思い出していた。
*****
去年の花火大会は、男女三人ずつのグループで来ていた。
合コンみたいなもので、私は男の子三人とは初対面だった。
私以外の女子と男の子二人は根っからの陽キャで、隠れ陰キャの私は場を盛り下げないよう話を合わせるのに必死だった。
高校生の時に付き合っていた彼氏とは、進学で遠距離恋愛になった後、自然消滅。
彼氏いない歴が三年を超えた私は焦っていた。
今日こそは彼氏を作るぞ! と息巻いて、メイクも気合を入れてきたのだ。
それなのに。
屋台もたくさん出ている花火会場は人でごった返していて、人込みが苦手な私は早くも、来たことを後悔し始めていた。
その時、さらなる不運がやってくる。
「きゃ!」
私の悲鳴はみんなの足を止め、視線を集めた。
「鼻緒が切れちゃった…」
恥ずかしさをごまかすようにヘラヘラと笑う。
私のその情けない姿を見て、陽キャ四人組は遠慮なく笑い始めた。
「だっさ」「漫画かよ」「鈍くさ」「早く直しなよ」と矢継ぎ早に言われる。
私も早くこの窮地をどうにかしたかった。
けれど、慣れない浴衣姿でかがむのさえ簡単ではない上、下駄の構造なんてわからない。
私はどうしよう、とうろたえるしかできなかった。
「私たち先に行くから」
「直ったら後から来なよ」
そんな私にしびれを切らし、四人はあっさりと先に行ってしまった。
その後ろ姿はすぐに人込みに紛れて見えなくなってしまう。
泣きそうになりながら途方に暮れていると、私に差し伸べられる手があった。
一人の男の子だけ、私のところに残ってくれたのだ。
それが健吾だった。
「とりあえず、場所移動しようか」
健吾が私に背中を向けて軽くかがむ。
「え、でも…」
その意図を察することはできたが、さっき初めて会った男の子に背負われるなんて恥ずかしいなんてものじゃない。
けれど他に方法がなく、健吾にも急かされて、私はしぶしぶその背中に頼った。
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