イケメンで強気な年下男性に主導権を奪われた私が、フェラで形勢逆転しちゃう。 (ページ 2)

 
 次の日から、愛理の携帯を気にする生活が始まった。連絡のないまま三日が過ぎ、自分は何をしてるんだとうと冷静さを取り戻したとき、一通のメッセージが届いた。

 そこには、ハローのスタンプと、翼という彼の名前だけだった。

「翼くんか…。イメージにぴったりの名前ね」

 また心が揺れる。記憶から抹殺するはずの彼の存在が復活した。年下の男の子に返信をどうすべきか、入力しては削除するの繰り返しで、結局愛理は何も送れない。

 そのまま仕事に戻ったもののモヤモヤは消えず、愛理は仕事帰りに一人でカラオケに行くことにした。

 翼がいればラッキーだし、いなければただ縁がなかったと思えるはずだ。

 この時すでに、愛理の中で翼に何かを感じていたのかもしれない。あの、何とも言えない冷たさを感じる視線で、戒めてほしい。

 そんな不思議な魅力に引き込まれていた。

 七時に仕事を終えて、カラオケに向かう。初めての一人カラオケだ。翼が出勤しているのかはわからないが、とりあえず入店する。

 受付は違うアルバイトだった。店内はがらんとしていて、誰にも会わずに入室する。

 ドリンクをオーダーして、曲を探す。こうして自分のペースでカラオケを楽しめるのは悪くない。流行りの曲のランキングを見ながら、全く知らないぐグループの名前を見ては検索をしていた。

 すると、ノックの音が聞こえ、ドアが開けられた。

「お待たせしました」

「あっ?!」

 翼だった。愛理は一瞬言葉を失ったが、自然を装って話しかけようとする。すると、先に翼が話しかけてきた。

「今日は一人なの?」

「うん、まぁ」

「暇なの?」

「暇ではないんだけど…」

「ふーん、楽しんでね」

「ありがとう」

 つっけんどんな話し方は、サービス業の接客ではありえないと思う。でも、アクションを起こしたのは愛理の方だから、不思議な会話にしばらくぼうっとしてしまった。

 ぐいぐい引っ張られる感じは、嫌いではない。でも、愛理のことを変な女だとは思っているに違いない。

 考えれば考えるほど、頭が混乱してしまう。とりあえず、愛理は歌うことにした。

 数曲歌ったころ、またドアがノックされた。

「失礼します」

「はい?」

 入って来たのは翼だった。

「何も注文していないけど…」

 そう愛理が言ったとき、翼が持っていたスプーンとフォークが入った小さなバスケットを落した。

「あー」

 思わず愛理もかがんで拾おうとする。すると、翼が顔を近づけ軽く唇に触れた。

 一瞬の出来事で、愛理は声も出なかった。

「なにかオーダーしてよ。また来るから」

 丁寧にお辞儀をし、翼は出て行った。愛理は、何が起こったのかよくわからずにいる。

 漫画みたいに唇を指でなぞってみた。確かに翼の唇は触れたはずだけれど、夢をみたような気分だ。

 馬鹿にされてる…?

 翼はどういうつもりなのだろう。明らかに、愛理が翼に興味があることを逆手に取られていると思ったが、困ったことに、愛理はもっとしたくなっていた。

 薄い唇は柔らかく、何より近づいてきた翼のフェロモンはたまらなかったのだ。

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