普段とは違う雰囲気の上司に思わず早くなる鼓動。そのままオフィスで濃厚な… (ページ 2)

だが、私と徹也は上司と部下。
仕事での関係でしかない。
お近づきになりたい気持ちはあったが、私なんかに言い寄られても困るだろうとなかなか仕事以外で話しかけることもできずにいた。

そんな気持ちを抱えつつ、仕事に取り組んでいると少々ミスをしてしまい一人で残業をすることに…。

「うぁー、まさかこんな凡ミスをしちゃうなんて…早く終わらせて帰りたいよう…」

泣く泣く資料を見ながらパソコンに向かい、落ち込みながら作業をしていると、後ろから肩をポンポンと叩かれた。

「ぶっ…部長!」

振り向くとそこには片思い相手でもある部長の徹也の姿。
徹也は私ににっこりと微笑みながら話しかける。

「美紅さんお疲れ様。残業?」

「はい…少しミスをしてしまいましてこんな時間に…ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

「大丈夫だよ。誰にでもミスはあるし。でも一人で作業してもなかなか終わらないでしょ?僕も手伝うよ」

「えっ?いやいや部長に手伝わせるわけには…!大丈夫です!頑張って終わらせます!」

「女の子一人で遅くまで仕事をさせるわけにはいかないよ。早く終わらせて一緒に帰ろう。お詫びに一杯コーヒーを奢ってよ。それでどうかな」

徹也の優しい言葉や、一緒にいれることのドキドキ感から思わず私は「はい…」と頷く。
そんな私の様子を見ながら徹也は「よしっ!」と気合を入れて、私の仕事に一緒に取り掛かりだした。
私一人では手こずっていた作業も徹也が加担してくれたことで、かなりスムーズに進み、気が付けば30分もかからない程度で仕事を終えた。

「すっ…すごい!さすが部長です…!」

「あははっ!伊達に部長はやっていないよ。お役に立てたようでよかった」

「本当にありがとうございます!助かりました!」

私は徹也に向かって深々と頭を下げる。
そんな私の頭をポンポンと徹也は優しく叩いた。

「困った時はお互いさまでしょ?いつも美紅さんが仕事を頑張っているのは知っているからね」

ニコニコと優しく微笑みかけてくれる徹也。
その笑顔を間近で見てしまった私は思わず徹也に向かって叫んだ。

「好きです!!」

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