女性専用の温泉宿への傷心旅行。露天風呂でイケメンくんに癒されてイかされちゃう

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女性専用の温泉宿への傷心旅行。露天風呂でイケメンくんに癒されてイかされちゃう (ページ 1)

右折の目印は、木造に茅葺屋根のレトロで可愛らしいバス停だった。

温泉宿に着いたら早速この辺りを散策しようと思い、沈んでいた心がほんの少し浮き立つ。

長くつき合っていた彼氏と別れてから、半年も鬱々としている私のために、友達が計画してくれた旅行だったのに、友達が急に行けなくなってしまった。

予約したのは、女性専用の温泉宿で、マッサージやボディトリートメントなど女性向けのサービスが充実しているらしい。

間際のキャンセルの返金はできないけれど、その代わりに、露天風呂つき部屋へのアップグレードと、女性に人気のオプションをつけてくれるから、ひとりで行ってきなと、半ば無理矢理友達に送り出された。

駐車場に車を停めると、作務衣を着た若い男性が車のドアを開けてくれた。

「千紘さまですね。お荷物お持ちしますね」

わっ、すごいイケメン!

長身で細身で、ちょっと和風の顔立ちに作務衣がすごく似合っていて、胸には凪人と書かれた名札を付けている。

凪人くんにボストンバッグを持ってもらい、玄関に着いた。

私が靴を脱いでいる間に、凪人くんは玄関先に正座し、深々と頭を下げた。

「改めて、ようこそいらっしゃいませ」

そして、私の足の甲に額づき、口づけた。

「ちょ…やめて!」

恥ずかしさに顔が火照る。

「ごっ、ごめんなさい」

凪人くんは、傍目から見てもわかるくらいにしゅんとしてしまって、なんだか悪いことを言ってしまったような気持ちになる。

というか、女性専用の宿とはいえ、ちょっとサービス過剰では?

フロントには、渋い感じの番頭さんがいて、チェックインの手続きをする。

「エスコートサービスをお申込みいただいておりますが、この中からご希望のスタッフをお選びいただけますか?」

友達のキャンセルの代わりについてきたオプションなのだろう。

渡されたタブレットをスクロールすると、キラキラした格好のイケメンたちの写真とプロフィールが表示される。

「あの…エスコートサービスって?」

「滞在中に担当のスタッフがお客様をエスコートするサービスです。何なりとご要望をお申し付けください」

部屋に荷物を置きに行っていた凪人くんがフロントに戻ってきて、タブレットを手にした私を不安げに見ている。

凪人くんを選ばなかったら、またしゅんとしてしまうような気がする。

「では凪人さんを」

「はあ、凪人は仲居で…至らぬ点もあるとは思いますが、お客様のご要望であれば…凪人、千紘さまをお部屋にご案内して」

「千紘さん、よろしくお願いします」

凪人くんは、深々と頭を下げ、体を起こしたと思ったら、さっと私の後ろに回り、肩口と膝裏を掬って抱き上げた。

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