「『姉さん』になるなんて。絶対嫌だ」婚約者の弟に強引に迫られて断りきれずに… (ページ 2)

「絵里さん。兄貴と結婚するんだよね」

結婚の挨拶の時、空くんは海外留学中で同席できなかったのだ。

「そうなの。どうぞよろしくね」

にこりと笑う私に、空くんはとても複雑な表情を見せた。

直後、狭いキッチンに入り込んできて私を抱きすくめる。

「空、くん――?」

「嫌だ。俺、絵里さんのこと好きだった。俺の恋人になって欲しかったのに、『姉さん』になるなんて。絶対嫌だっ」

「何言ってるの? 空くん」

大きくなったのに、まるで小さな時と同じように駄々をこねる空くんを、ゆるりと見上げた瞬間、唇を奪われた。

「ん――っ。んんっ」

厚い胸板を叩いてもびくともしない。

それどころか、口の中を舌で舐めまわしてくる。

「や――っ。あん――っ。はぁ――んっ」

いつの間にか、はしたなく甘い吐息が漏れるまで、空くんのキスは続いた。

びちゃびちゃと卑猥な音が狭いキッチンに響き、二人の唾液が私の頬を汚していく。

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