「もっとエッチになって、全部見せて」好きだからいやらしくなっちゃう甘々カップル (ページ 4)

「何か買ってきたんですか?」

「あ、そうそう。近くのコンビニでね」

昌也さんが一旦体を離す。

ここじゃ何だからと、部屋に通した。

「出張帰りで手ぶらなのも寂しいなって思ってさ」

「いいですよ。気を使ってもらわなくても」

「いーのいーの、俺が買いたかったんだから」

袋のサイズからするとあまり大きなものではないように見えるけれど、一体何だろう。

そんなワクワク感は、しかし袋から姿を現したものによって一瞬にして消えてしまった。

だって、それは

「あ…」

「杏仁豆腐。好きでしょ?」

私の大好物、杏仁豆腐。

透明なプラスチックケースの中を満たす、眩しいくらいに真っ白な…。

「だ、ダメです!」

すぐさま、昌也さん(の持っている杏仁豆腐)に背を向けた。

「へ?」

「ムリです!食べられません!」

「え…、好きじゃなかったっけ?」

「好き…だけど、今はダメです」

背後にいる昌也さんが不思議そうに「何で?」と尋ねる。でも、ムリなものはムリとしか言いようがない。

本当のことなんて言えない。

こんないやらしくて、エッチなことばかり考えてる女。

きっと幻滅されちゃう。

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