窓からやってきた夫が匿ってくれと言って隠れたのはドレススカートの中で―!? (ページ 2)

「きゃあっ!」

「しーっ!静かに」

腰を屈めたと思うなり、スカートの裾をめくった旦那様が中に入り込んで、そのまま身を隠してしまった。

「旦那様!い、一体何を…」

その時、コンコンと扉を叩く音と、「奥様」という使用人の声が。

「マリア、静かに」

「で、でも…」

「こんな格好がバレたら、マリアだって恥ずかしいでしょ?」

それはあなたのせいでしょう、と返すことも出来なかった。

開いた扉から姿を見せたのは、年配の執事だった。

旦那様が執務室からいなくなった。

見つけたら知らせてほしいと。

スカートの中を気にしないようにしながら、どうにか平然を装う。

それだけ伝えて、執事は退室する。

扉の向こうの気配が遠くなると、緊張の糸がほどけて脱力してしまった。

「旦那様、出てきて下さい」

「ん?」

「もう執事は退室しましたよ」

「えー、でもなあ」

突然、太股に触れた手。

「ひゃっ…」

思わず声を漏らしてしまった。

「こんな良い眺め、他にないよ」

「旦那様っ!」

スカートの中に入り込んだまま、旦那様は太股を撫で始める。

毎夜、寝台の上でしてくれるように。

一度そう思ってしまえば、忘れることなんて出来なくて…。

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