いつも優しい恋人は、夜になると野獣でした…たくましい体にすがりつく夜 (ページ 2)
30分ほどで彼の家に着いた。
落ち着いた外観のマンション。
部屋に入ると、思っていたより整っている。
「散らかってて恥ずかしい」
「ほんと?私の部屋より片付いてるけど」
「適当に座ってて、今あったかいコーヒーでも淹れるから」
健吾君はキッチンに向かった。
言われた通り私はコートを脱いでリビングにあるソファに座った。
彼に入れてもらったコーヒーを飲みながら、2人でまた今日の映画の感想を言い合う。
だけどなんだかそわそわしてしまう。
それは隣に座る健吾君の体温を感じられるからだった。
「ね、大丈夫?ほっぺた赤いけど」
「え?ほんと?…たぶん緊張してるからだと思う」
「緊張?」
「うん…だって、いつもより近くて、なんか恥ずかしくて」
そこまで言って、私は顔を更に赤くして俯いてしまった。
部屋の中がしーんとして、なんだか気まずい。
「俺も」
「え?」
「緊張してる。だって、彩音が俺の部屋にいるから」
彼の手がそっと伸びてきて、
私の指先に触れる。
「握ってもいい?」
「…うん」
彼はゆっくりと、指を絡めてきた。
大きくて温かい手に包まれるだけで、
呼吸が浅くなるのが分かった。
「…手、小さいね」
「健吾君が大きいんだよ」
「ねえ、彩音、抱きしめてもいい?…っていうか、抱きしめるね」
その瞬間、
彼の腕がそっと背中へ回り、
温かい胸に引き寄せられた。
強くはない。
でも、包み込むような抱きしめ方。
高い位置から降ってくる低い息づかいが、
首元にかすかに触れる。
「俺の腕の中にすっぽりで、かわいい」
耳元で落とされたその声は、
驚くほど甘かった。
体格差がそのまま包容力に変わるようで、私の身体はすっかり彼に預けられていた。
「ね、上向いて」
「…うん」
キスが降って来る。
ちゅ、ちゅ、と軽いキスが何回も。
「舌出して、べーって」
「え?こう?」
言われるままに、舌を出す。
「…いい子」
顔がまた近づいてきたかと思うと、健吾君は私の舌に自分の舌をねろりと絡めてきた。
「ん…ふ…」
こんなキスは今までしたことがなかった。
突然のことに混乱しながらも、舌同士が擦れる気持ちよさに、うっとりしてしまう。
彼の舌が私の舌の表面をなぞるたびに、ぞくぞくと背筋に快感が走った。
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