死んだ夫が浮気していたことを知って傷つく私に、義弟が優しくしてくれて

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死んだ夫が浮気していたことを知って傷つく私に、義弟が優しくしてくれて (ページ 1)

夫が交通事故で亡くなったと連絡が入った時、麻衣子は目の前が真っ暗になった。

更に追い打ちをかけるように知らされたのは、夫が見知らぬ女性と一緒にいたという事実。

そう、夫は浮気していたのだ。

しかも、その関係は何年も続いていたらしい。

「…はあ」

葬儀を終えてからというもの、ため息ばかりついてしまう。

「麻衣子さん、大丈夫ですか?」

そう言って声をかけたのは、夫の弟である賢治だった。

彼は夫が死んでからというもの麻衣子のことを気にかけ、よく訪れているのだ。

「ええ、ありがとう。でも、少し疲れてるだけだから…」

弱々しく笑う麻衣子を見て、賢治は心配そうな顔をした。

「だけど、麻衣子さん…少しやつれているじゃないですか。ちゃんと食べてますか?」

「…」

賢治の言葉に、麻衣子は何も言えずにうつむく。

けれど、どうしようもない。彼女はいまだ立ち直るきっかけを掴めずにいた。

そんな麻衣子の様子に、賢治は歯がゆそうに唇を引き結ぶ。

そして、意を決したように口を開いた。

「麻衣子さん…俺じゃ、だめか?」

「えっ?」

突然の告白に驚く麻衣子に、賢治は真剣な表情を向ける。

「実はずっと、麻衣子さんのことが好きだったんだ…俺は兄貴みたいに麻衣子さんを裏切ったりしない!」

賢治はそう言うなり、麻衣子を抱きしめた。

「そ、そんなこといきなり言われても…」

突然の告白に戸惑う麻衣子だったが、そんな彼女の耳元で賢治は囁く。

「好きだよ、麻衣子さん…」

甘い言葉と共に口唇が重なる。

「んっ…ふぅ…」

賢治とのキスに、麻衣子は頭がクラリとした。

(そういえば、キスなんて久しぶりだわ…)

夫とは仕事の忙しさを理由に、スキンシップなんてほとんどなかった。

思えば、自分が一人寂しく過ごしていた時も、夫は不倫相手と楽しく過ごしてきたのかと思うと胸が痛くなる。

しかし、そんな彼女の感傷を拭うかのように、賢治は何度も麻衣子にキスをした。

気づけば麻衣子も口の中に入ってきた舌に自ら応えるように絡めていく。

濃厚なキスを繰り返すうちに、麻衣子の身体からは力が抜けていった。

やがて、ゆっくりと口唇を離すと賢治は熱っぽい視線を向けてくる。

「ベッドに行こうか?」

賢治は優しく微笑みながら、麻衣子の背中に手を回す。

「…ええ」

麻衣子は頬を赤らめながらも小さく首肯すると、彼の胸に顔を埋めた。

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