自分に自信がない彼とのゆっくりした夜、時間をかけすぎて翌朝の体に異変が…

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自分に自信がない彼とのゆっくりした夜、時間をかけすぎて翌朝の体に異変が… (ページ 1)

「僕はいつも不安なんだ。君が他の人を好きになっちゃうんじゃないかって」

 今まさにひとつになろうとしている瞬間に言うべきことじゃないと思うなあ。そう苦笑いしたくもなるけれど、彼に触られた場所の全てが既に気持ち良すぎて私から言葉を奪っていく。そうっと、そうっと先が沈んでいって、まだ揺らしてもいないのに達してしまいそうになる。

「ねえ、ちゃんと気持ちいい?」

 こんなに切羽詰まった顔をしているのに、彼には私が見えていないのかしら?

「もう少し入っても大丈夫? いや、やっぱりやめておこうか。痛い思いをさせないか不安なんだよね」
「だ、大丈夫だってば…」
「苦しくない? いや苦しいのは当然だよね。僕が押し開いちゃってるんだから。ごめんね、無理させてるよね」

 正直、苦しくすらない。不安だ不安だと零す彼を宥める形で、私はこれまで何度も夜の時間を作ってきた。私の体はすっかり彼の形を覚えているから、今更苦しくなるなんてこと、ありえない。仮にやや強引に押し開かれたとしても苦しさに呻くことなんてないだろう。

 私の方はこんなにも彼に馴染んでいるのに、私の方ではこんなにも彼へと心を許しているのに、彼はまだ私を信用していない。正確には「私が彼にこんなにも心を許している」ということを信じようとしてくれない。あとどれくらいひとつになれば、彼は安心してくれるのだろう。

「少しずつ動くからね」
「えっ、もっと入ってきていいよ?」
「でも怖いんだ。無理をさせて君に嫌われたらどうしようって」

 こんな半分くらいしか入っていない状態でゆるく揺さぶられる方が辛い。でもどうやって伝えればいいんだろう。もどかしいことしないで、という言い方だと逆に彼を傷付けてしまいそうだ。期待と興奮で茹だった頭を何とか回転させて、私は決死の一言を絞り出す。

「私が! 私が聡ともっと深いところで繋がりたいの」
「えっ」
「だから、っん…、ほら、もっと来て?」

 その言葉を受けて、彼は本当に安心したように微笑んだ。それでもじれったくなるような緩慢さでゆっくりゆっくり入ってくる。
 
 ようやく満たされた、という満足感と同時にすぐさま達してしまったのだけれど、それが彼には嬉しかったらしい。そこからはいつもよりちょっとだけ力強く繋がることができた。優しく抱き締められながら、深く、深く。

 優しすぎる彼、優しすぎるセックス。彼がこれで安心してくれるならずっとこのままでもいい。だからあなたこそ、他の人を好きになったりしないでよね。

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