ランニング中に出会った憧れの人に、優しく情熱的に責められて、イかされちゃう (ページ 2)

私は、拓也くんにおんぶされて、拓也くんの家に向かっている。

転倒したところを助け起こしてもらって、タクシーを拾ってくれようとしたのだけど、ふたりともお金を持っていなかったし、どう考えても歩いては帰れない。

すぐ近くの拓也くんの家まで行って、そこからタクシーで送ってもらうことになったのだ。

「名前聞いてなかったね」

「由衣です」

「由衣ちゃん、可愛い名前」

誰も私のことをちゃん付けでは呼ばないので、なんだか照れる。

「本当に、何から何までごめんなさい」

「俺は拓也」

「あ、知ってます」

「えっなんで?」

「あの、市の10kmの大会で優勝しましたよね」

「そっか、由衣ちゃんも出てたんだ?」

「ええ、私ファンなんで、表彰式もしっかり見てました」

拓也くんに背負われて、体が密着してて、しかも顔が見えないのをいいことに、うっかりファンだと言ってしまった。

「そうなんだ、ありがとう。嬉しいな」

「でも、奥さんいるのに、迷惑ですよね」

「えっ、いないよそんな人」

「あの大会の日、一緒だったじゃないですか。お子さんも」

「お子さん? ああ、あれは姉貴と甥っ子。たまたまこっちに来てて」

そう言われてみると、あの女性も拓也くんに似た切れ長の目をした美人だった。

というか、重要なのはそこじゃない。拓也くんが独身?

「奥さんどころか、彼女もいないよ」

「私も彼女いないー」

思わず調子に乗る私。

「えっ、いないんだ。でも彼氏ならいるとか言わないでくれよな、っているよね由衣ちゃん可愛いから」

「いないですー」

ピンク色のプルプル震える電動彼氏ならいるけどね。

すっかり打ち解けて、笑い合っているうちに、拓也くんのアパートについた。

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