「お嬢様の願いなら、何でも叶えます」2人だけの合言葉で豹変する送迎係の献身 (ページ 4)

「で、何から欲しい?」

ベッドに座り込んだわたしの顎を掴んで、利人さんが問う。

薄い唇が意地悪く笑っている。

その表情を見ただけで、背中にゾクゾクとした感覚が広がった。

「…目隠し」

「やっぱり、味を覚えたか」

一昨日の『寄り道』の時、目隠しをされたのが忘れられない。

利人さんは一瞬だけ困ったように微笑み、バッグからアイマスクを出した。

黒いビジネスバッグの中に、色々な道具が入っているのをわたしは知っている。

「他には?」

わたしの視覚を奪った後、利人さんが耳元で囁いた。

吐息に耳をくすぐられ、思わず悲鳴を上げる。

「あ…縛って、欲しいです…」

「それは我慢しろ。まだ、一昨日の痕が消えてない」

「やだ…利人さん…縛って」

何もかもを利人さんに支配されたい。

全てを投げ捨てて、利人さんに溺れたい。

「ワガママ言うなら、仕置きが必要だな」

「…や、だ」

仕置きという言葉に、体が勝手に反応した。

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