専業主婦がハマった理想の彼とのデートと甘い時間 (ページ 4)

 瑠依は、夫への言い訳に使ったシティホテルに部屋を取った。もちろんお得なレディースプランなどではなく、正規料金だが、そんなことはもうどうでもいい。

 部屋に入る前、エレベーターに乗っている時から、心臓はばくばく、息も止まりそう。まるでバージンの女の子みたいだ。

 シックなデザインのツインルームに入ると、彼がそっと背中から抱きしめてきた。

「ま、待って。シャワーを――」

「このままじゃ、だめ? すごくいい匂いだ」

 甘えるようにささやかれると、それだけで全身の力が抜けて、その場にへたりこんでしまいそうになる。

 彼の手がそっと前へ回され、胸のふくらみにかかった。服の上からそっと撫でさする。丸みを確かめるように包みこみ、やわやわと揉みしだく。

「ん、ん……っ」

 服の上から触られただけなのに、じゅん、と熱いものが体の奥から沁みだしてくる。

 彼の唇がうなじに押し当てられると、もう目を開けていることもできなくなった。

 ――うそ、こんな……。こんなのって……。

 こんな感じ、生まれて初めてだった。

 夫に触られても、なんだかもぞもぞして、ちょっとくすぐったい、くらいしか感じなかった。挿入されても、快感よりは痛みを感じることが多かった。

 なのに、今は。

 唇が重なる。

 ――キス……。樹くんの、キス……。

 そう思うだけで、眩暈のようにくらくらしてくる。

 なめらかな舌先で唇をなぞられ、開けて、と軽くノックされる。ためらいがちに唇を開くと、吐息とともに熱いものがするっと滑り込んできた。

「ん、う……っ」

 思わず小さな声がもれた。

 どうしていいかわからない。経験はあるのに、まるで生まれて初めてのキスみたいだ。

 ただ夢中で彼の腕にしがみつく。

 いつの間にかベッドのすぐそばに立っていた。

 ふたりはもつれ合うように、シーツの上に倒れ込んだ。

「ほら、ばんざいして。はい、ばんざーい」

「もう、やぁだ。ひとりで脱げるったら」

「脱がせてあげるよ」

 子供みたいにじゃれあいながら、互いの衣服を脱がせていく。その合間にも、ちゅ、ちゅ、とついばむようなキスを繰り返す。

 やがてあらわになった瑠依の全身は、すでにほんのりとばら色に上気していた。

 彼のキスが降ってくる。首筋に、鎖骨に、胸元に。そのたびに全身に花が咲くような快感が生まれる。彼の唇が、指が、触れてくれるところすべて、気持ちいい。

「あ、ん……んんっ……」

 唇を噛んでも、かすれた声がもれてしまう。

「噛まないで。声、聴かせて」

「やっ……やだ、はずかしぃ……」

「お願い。聴きたいんだ、あなたの声」

「そん、な、あ……ああぁ……」

 すべての布をはぎ取られ、生まれたままの姿にされても、もうそれを意識することもできない。

 彼のキスが降りていく。ふたつのふくらみの頂点を交互に吸い、舌先で転がし、甘く甘く噛む。さらに、かすかに濡れた痕を残しながら、平らなウエストへ、その下へと。

「や、あ……、え? あ、ま、待って。待って、そんな……」

 やがてそのキスは、濡れそぼる秘花にたどりついた。

「あ、ああぁっ!」

 瑠依の体が大きく弓なりにのけぞった。

 熱い舌先が濡れたひだをなぞる。肉のひだをかき分け、悦びの蜜を滴らせる小さな入り口を探り当てる。

「あ、や……そこ、あ、だめ、だめえっ!」

 彼の舌が体の中へ滑り込んできた瞬間。

 瑠依は最初のエクスタシーに駆け上った。

「イッちゃったんだ?」

 真っ赤に染まった耳元に唇を寄せ、彼がささやく。

「うそ……。うそ、こんなの、あたし……」

「可愛いな。ほんとに……可愛い」

 どこか夢心地のように、彼はつぶやいた。

 そして、しなやかで炎のように火照る体が覆いかぶさってきた。

「今度はオレといっしょに、イこう?」

「うんっ、い、いっしょに、いっしょに……いかせてぇ……っ」

 激しい律動が襲ってくる。小さな入り口をいっぱいに拡げ、熱く大きく膨れ上がった彼の欲望が根元までねじ込まれ、引き抜かれ、また一気に突き入れられる。

「ああっ! あ、ひぁ、あ、そこ、奥……ああ、やああんっ!」

 瑠依は子供のようにすすり泣いた。

 あとはただ、彼の与えてくれる快楽に夢中で溺れるばかりだった。

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