横暴な客に捕まり乱暴な扱いを受けていたら…リセットされる嫌な記憶 (ページ 5)

「気づくの遅くなってごめんね。痛かったでしょ。これ」

そっと、利人さんが赤くなった手首を撫でる。

優しすぎる触り方は、一周まわってエロチックで、体がぴくんと反応してしまった。

「痛い?打ち身とか捻挫だといけないから、明日、病院に行ってね」

「痛いわけじゃ…」

「うん?じゃあ、何?」

そう聞かれて正直に答えられるはずがない。

「えっと、くすぐったかったんです」

「手首が?千星ちゃんって、くすぐったがりなの?」

「そうでも、ないんですけど…ひゃっ」

笑ってごまかそうとしたら、利人さんの指が首筋をなぞった。

ぞわぞわとした感覚に体が軽く痺れる。

「くすぐったい?」

優しい瞳に見つめられながら、わたしは頷いた。

「本当は?」

心臓がドクンと脈を打つ。

嘘をつけばいいと思うのに、逆らう気になれない。

「…気持ち、いいです」

「やらしいね」

ぐっと腰を抱かれ、そのまま利人さんの胸に頬をうずめる。

さっきまで首筋を撫でていた指が、わたしの顎を持ち上げた。

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