生意気な可愛い後輩、実は溺愛体質のツンデレで甘々執着系でした (ページ 3)

「きゃっ――」

ぐい、と強く引き寄せられた次の瞬間、私はそのまま春翔の膝の上へ座らされていた。

顔が近い。
ふわりと香る柔軟剤の匂い。
首筋を掠める少し荒い吐息。

いつもの可愛い後輩じゃない。
不意に“男”を感じて、ぞくりと背筋が震えた。

「春翔、重っ……」
恥ずかしさに耐えきれず離れようとすると、腰に回された腕にぐっと力がこもる。
「……ねぇ、こっち見て」

耳に絡みつくような甘い声。
どくん、と心臓が大きく跳ねた。

「あ……」
 恐る恐る顔を上げた瞬間、春翔と視線が絡む。
彼の手が、ゆっくりと私の脚へ伸びた。黒いストッキング越しに、熱を持った指先が這う。

「黒なんだ」
 低く囁かれた声に、ぞくりと背筋が震える。

「……見ないで」
「なんで」
「恥ずかしいから!」

 私の言葉に、春翔がふっと笑う。
「かわい」
 甘く蕩けるような声音。
すかさず腰に手を回される。

彼の指先は、壊れ物に触れるみたいに慎重に、膝から太腿へとゆっくり滑っていった。まるで、私の反応を一つ残らず確かめるみたいに。

「……っ、春翔……」
 触れられているだけなのに、身体の芯が痺れる。まるで、自分の中の“女”の部分を全部暴かれていくみたいだった。

「ねぇ」
 春翔の顔が近づく。

 鼻先が触れそうなほど近くで、彼が囁いた。
「今日、嫉妬してた?」
「……してない」
「嘘」
「してないってば」
「してたじゃん。ほんっと、可愛いんだから」
 くす、と笑った直後。唇を塞がれた。

「……んっ……」
 深く重なる熱に、頭がくらくらする。息を奪うみたいな口づけ。そのまま春翔は、私の首筋へ額を擦り寄せた。

 大型犬みたいな甘え方なのに、抱き締める腕だけは驚くほど強い。
 シャツ越しに伝わる熱。
 浮き出た血管。

 骨ばった大きな手。
 ――男の人なんだ。
 今さらみたいに、その事実を思い知らされる。

「……涼花さ」
 掠れた声。
「俺が他の女と喋るの、嫌なんでしょ」
 「違うし」

図星だった。春翔が小さく笑う。
「ほんと可愛い」
「……可愛くない」
「可愛い」

 言い切るように囁かれた直後、顎をくい、と持ち上げられる。視線が絡む。春翔の目が、獲物を追い詰める肉食獣みたいに細められた。

ぞくり、と背筋が震えた。こんな春翔、知らない。いつもはふにゃふにゃ笑って、“可愛い”ってばっかり言われているのに。今、目の前にいる春翔は――完全に“男”だった。

「俺ね」
 ぽつり、と呟く。

「涼花のことになると、ほんと余裕なくなる」
「……え」
「他のやつと笑ってんの見るだけでイラつくし」

 彼の指が、ゆっくり私の髪を梳く。
「だから、もう我慢やめた」

 耳元へ唇が寄る。熱い吐息がかかって、肩が小さく震えた。
「これからはちゃんと素直になる」

 耳元で溶けるように囁かれる。
「頭の先から、つま先まで。全部、俺のものにしたい」

 どくん、と心臓が大きく跳ねる。春翔の指先が、熱を持ちはじめた場所へするりと触れた。

「っ……!」
びくり、と身体が大きく震えた。彼の指先は、焦らすようにゆっくりとそこを撫でていく。
 優しく。執拗に。私の反応を楽しむみたいに。

 「……涼花、可愛すぎ」
 耳元へ落ちる掠れた声に、背筋がぞくりと震えた。

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