夫の上司に抱かれ狂ったように喘いでいる私を、知らない間に夫が見ていた禁断の夜 (ページ 2)

「はい」

 返事をして振り向く。同じ棟の上階に住む夫の上司だった。

「ご主人、まだ出張ですよね?」

「はい」

「お買い物ですか?」

「ええ、まぁ」

 この上司の奥様は、カフェへパートに出ている。何度か利沙子も話したことがあったが、真面目な旦那は寄り道せず帰宅するから、夕飯の時間が遅れないようにいつもバタバタしていると言っていた。

 派手でもなく、目立つこともなく、上手くこのコミュニティーに属しているといった感じの夫婦だから、利沙子も全く警戒心はなかった。

 夫も、この上司は信頼ができると言っていた。確か、名前は哲郎さんで、アニメのキャラクターと同じ名前だねと、言っていたことがある。

 四十代半ばで、高身長でがっちりした体格。落ち着いた話し方で、ほんの少し見える白髪が大人の色気を醸し出す。利沙子の嫌いなタイプではない。

「じゃあ、お先に失礼します」

 利沙子はそう言って先にレジへと向かい、そのまま支払いを済ませて帰った。

「あの上司、私のこと利沙子さんって言ったよね…?」

 帰り道、自転車をこぎながら、ふとそんなことが気になったが、利沙子は夜のお楽しみで頭が一杯だ。いつのまにか、上司のことも忘れていた。

 八時を回ったころだった。利沙子は食事を済ませ、ビールを飲みながら携帯をいじっていた。夫も今日はみんなで飲みに行くらしい。

 そっちもお楽しみで何より!と、利沙子はビールを飲み干して、そろそろお風呂に入ろうかと思ったその時、インターホンが鳴った。

「すみません、こんばんは」

 そこには、スーパーで出会ったばかりの上司の哲郎が立っていた。

「少しお待ちください」

 利沙子がドアを開ける。

「これ、よかったら食べていただけませんか?送られてきたんですけど…」

「は、はい…」

 出されたのは、高級さくらんぼの箱だ。

「いんですか?こんな高級なもの」

「ええ」

 なぜ奥様ではなく、哲郎がこうしてやって来るのか不思議だったが、利沙子は差し入れが素直に嬉しかった。

「ありがとうございます。早速いただきます!」

 そう言ったのに、哲郎がなぜか帰ろうとしない。それどころか、部屋の中へ入りたそうな空気を漂わせている。

「うちも今日は俺だけなんで、一人でさくらんぼもちょっとね…」

「そうなんですか、じゃあ一緒に食べましょうか?」

 典型的な社交辞令のはずだった。だから、哲郎が断ると思っていた。ところが、哲郎の返事は違った。

「はい、ぜひそうしましょう」

「えっ、は、はい…。どうぞ…」

 思わぬ展開に利沙子は焦ってしまった。貴重な一人エッチの時間が、夫の上司に邪魔されてしまうのだ。

 利沙子は哲郎をリビングへ通した。部屋は片付いているので問題はない。

「綺麗にしてるんですね、さすが利沙子さんだ」

「そんな、普通です」

 さくらんぼを洗い、器に盛りつける。さすがに飲み物を出さないわけにはいかない。

「何を飲まれますか?」

「ああ、悪いね。利沙子さんはビールを飲んでたの?」

「はい」

 テーブルの上に、利沙子のビールの空き缶が置かれている。

「じゃあ、同じものをいただこうかな」

「はい、わかりました」

 こうして、金曜日の夜に夫の上司と二人きりになったのだ。それは妙な空間だった。

 利沙子は一人エッチをするということが一週間インプットされていたので、なんだか哲郎に男を感じてしまうのだ。

 そして、哲郎も少しずつ利沙子との距離を近づけていた。まさに、大人のテクニックだった。

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