既婚者の彼を愛してしまいました。罪悪感に泣きながらも彼を求めてしまう私 (ページ 4)
「アイカ…」
呟くように、掠れた声で、龍二が私の名前を呼ぶ。
呼ばれた瞬間、心がほろりとほどけるような感覚がした。
私はおなかの奥で、深い絶頂に達した。
後ろから強く抱きしめられる。
私のナカで、彼も達した。
私は全身が溶けるような快感の中、決して手に入らない彼を思って、涙を流した。
*****
夜が明ける。
空が明るくなり、町が動き出す。
ベッドから抜け出した彼が、身支度を始める。
これから龍二は、奥様のいる家へと戻るのだ。
私の体にはたくさんの彼の痕跡が残っているのに、彼の体には何もない。
奇麗な背中が白いワイシャツに隠れていくのを、ただ見守るしかできなかった。
「…じゃあ」
「うん。またね」
次にあるかどうかもわからない、「また」の言葉を繰り返すのは、おまじないのようなものだ。
今のところ、そのおまじないは効き続けている。
また、彼に会えますように。
罪深いことと知りながら、願わずにはいられない。
パジャマを身に着けて、龍二を玄関まで見送る。
後頭部に龍二の大きな手が回って、キスをされた。
思わずその体に抱き着く。
もしこれが最後になるのなら、今の彼の体温をずっと覚えていたいと思った。
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