幼稚園のころ幼馴染と触り合っていた思い出を、大人になって再現した二人の火遊びの夜 (ページ 2)
誠がやってきたのは八時前だった。母親は久しぶりの誠の来訪にとても嬉しそうだ。
「誠くん、久しぶりね!やっぱり誠くんはかっこいいお父さんね」
確かに母親の言う通り、誠はあまり変わっていない。中年太りもせず、白髪もないし、肌荒れもしていないせいか五歳は若く見える。まだまだ女性から声がかかりそうだ。
「二階に上がって」
「うん」
お茶を入れ、瑠美子も後ろから一緒に上がった。なぜか二階が怖いと言う瑠美子の前を、誠はいつも先に進んでくれていた。あの頃よりも狭く短く感じる階段を上がり、誠は自然に左の部屋に入った。
「よく覚えてるね」
「当たり前だよ」
当時の瑠美子の部屋とはすっかり変わっているが、二人の座る位置は変わらない。誠は窓の下の壁にもたれて座った。
「何が出てきたの?」
「色々あるよ」
写真、工作物、文集、テスト、手紙、瑠美子の制服と体操服まで、衣装ケースに詰められていた。
「ほら、これ誠のでしょ?」
「うわー、懐かしい!」
母親が瑠美子の物だと思ったであろう絵や、家庭科で作ったきんちゃく袋。誠に欲しいとねだって、強引に瑠美子が自分のものにしていた物もある。
思い出話に花が咲く。誠は当時のことを鮮明に覚えていて、共通の友達の近況も交えながら、瑠美子を一気に当時の記憶の世界へと引き戻す。
「この日、瑠美子は泣いてたよな」
「は?私が?」
「大会で負けて悔し泣きしてたから、俺がチャリンコの後ろに乗せて帰っただろ」
「そうだっけ」
「ほんとに何も覚えてないんだな」
写真を見ながら瑠美子はふっと笑ったが、本当ははっきりと思い出していた。
淡々と昔話をする誠の声があまりにも心地よくて惹きつけられ、まるで耳元で囁かれているような、そんな気分になっていたからだ。
だから、あのタオルケットの下の悪戯が続いているようで、幼なじみに眠っていた色欲を刺激された気分になり照れくさくなっていた。
誠は、おもむろに瑠美子の制服を広げて見ていた。
「おばちゃん凄いな、こんな綺麗に保管してあるなんてまだ着れるんじゃない?」
「ほんとよね。どう?」
瑠美子が体に制服をあててみる。
「マジで着てみて」
「何言ってんの?」
思わず笑い飛ばした瑠美子だったが、誠は冗談ではなかったようだ。
「懐かしいついでだろ、着てよ」
「入るかわかんないし」
「いいじゃん、適当で」
ぷりん 2025年5月26日
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