元カレのアレが忘れられない!?流されちゃダメなのに…もう彼でしかイケない!
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元カレのアレが忘れられない!?流されちゃダメなのに…もう彼でしかイケない! (ページ 1)
元カレとの再会は偶然か必然か。
仕事帰りにお気に入りのカフェでばったり会ってしまった。
「凛ちゃん…!」
「…拓也…」
嬉しそうな、どこか寂しそうな顔で駆け寄ってくる彼とは反対に、凛は冷静を保とうと必死だった。
「久しぶり…!元気だった?」
「…うん、まあね」
「よかったら少し話さない?せっかくだし」
「…ちょっとだけなら」
5年ぶりの再会だった。
拓也と別れたのは、別に彼が嫌いになったからではない。
あの時の凛は、仕事に集中したかった。
仕事か恋愛か、どっちをとるかと言われたら、迷わず「仕事」と答えるほど。
(私と違ってまだ若い彼には、もっとお似合いの人がいる)
そう思った凛は仕事を選んだのだった。
「凛ちゃんは…あれから誰かと付き合った?」
「…うん、すぐ別れちゃったけどね」
「そうなんだ…じゃあ、今は彼氏いないの?」
「…うん」
拓也がカフェラテを一口飲んで、凛をまっすぐに見る。
「凛ちゃん、俺たちやり直そうよ」
「…」
「俺のこと嫌いだから別れるんじゃないって言ってくれたじゃん。だったら…」
「ごめん、拓也」
拓也の言葉を遮るように、凛は告げる。
「拓也は私にはもったいないよ。私、もう32だよ。20代の拓也にはまだいっぱい可能性があるんだしさ」
「年齢なんて気にしてないよ。俺は凛ちゃんが好きなの」
「でも…」
「じゃあ明日デートしようよ。それで考えて」
「えっ!?」
「凛ちゃんの思い込みだけで判断しないで。俺のことちゃんと見てほしい」
「や、でも…」
「明日の10時にここに迎えに来るから。ちゃんと来てね」
今まで見たことのない拓也の真剣な表情に押され、凛は「わかった」と言うしかなかった。
*****
翌日。
(結局来てしまった…)
昨夜拓也と別れてからやっぱり断ろうと何度も迷ったが、うまく言葉にできず今日を迎えてしまった。
(なんとか乗り越えて、ちゃんとやり直さないって言おう…)
カフェの入口あたりで拓也を待っていると、近くで女の子のキャーキャー言う声がする。
(何…?芸能人でもいるの…?)
凛が辺りを見回すと、困ったような男性の声が聞こえてきた。
「すみません、約束があるので…」
拓也だった。
拓也が若くてきれいな女の子たちに囲まれている。
思わず凝視していると、拓也と目が合い、拓也が急いでこっちに駆け寄ってきた。
「ごめん凛ちゃん!遅くなって」
「いいよ。それより大丈夫?」
「うん…なんか俳優の誰かと間違われたみたい…」
「ああ…」
拓也は端正な顔立ちの爽やかイケメン。身長も高く、スタイルがいい。
見た目だけなら芸能人と言われても違和感はない。
だが、凛の中での拓也のイメージは、その見た目に反して子犬のようだった。
(そんなところは可愛いと思ってたんだけど…)
凛が昔のことをふと思い出していると、
「じゃあ行こっか」
拓也の車に案内され、凛はちょっと警戒しながら助手席に乗り込む。
*****
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