鉄道オタクの彼に女王様気分で言葉責めをする私。でも、彼は巨根で私を黙らせた
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鉄道オタクの彼に女王様気分で言葉責めをする私。でも、彼は巨根で私を黙らせた (ページ 1)
桃花の祖父は生前鉄道好きで、桃花を連れて写真を撮りに行くことが多かった。だから、子供のころから電車が大好きだった。
ところが、鉄道が好きだと言っても、なかなか女子の間では理解してもらえない。大学に入学して鉄道サークルを見つけるまで、桃花は人前で鉄道愛をあまり見せないようにしていた。
当時、鉄道オタクの女子は圧倒的に少なく、サークルにも女子は三人しかいなかった。
周りは生粋の鉄道オタク。女性の話題が出ることもなく、全く興味もない様子。イメージ通り、男性たちはチェックのシャツ率が高く、眼鏡をかけているメンバーがほとんどだった。
だから、平凡な桃花でさえオタサーの姫になる。
いつも桃花に優しく接するメンバー、明らかに桃花と話すときに緊張しているメンバーなど、個性的な集まりではあったけれど、桃花がサークル活動で嫌な思いをすることは全くなかった。
その中で一番仲が良かったのが同級生の洋平だった。洋平には姉と妹がいて、他のメンバーよりはまだ女性に免疫があった。だから、桃花とも気軽に話していた。
いつもグレーのTシャツと黒のチノパン姿。身長が高く、華奢で、中性的な顔立ち。意識してお洒落をすれば絶対にかっこいいのになと、桃花はずっと思っていた。
もちろん、洋平も桃花に優しい。優しいというよりは、絶対服従という感じだ。
ジュースを買ってくる、図書館で本を借りてくる、荷物を持つなど桃花のご機嫌取りは完璧だった。
そんな洋平と、六年ぶりに再会したのだ。
*****
春の風を感じる金曜日の夜、桃花は定時に仕事を終えて駅まで歩いていた。横断歩道で青を待つ。青になり歩き出したときに、前から歩いてきた背の高い男性が声をかけてきた。
「桃花ちゃん」
「えっ?」
どこか懐かしさを感じる男性。思わず足を止め、人混みの邪魔にならないよう端へ進む。
「僕のことわかる?」
桃花は必死で記憶をたどる。
「鉄道…」
「あー!洋平?」
「うん」
驚きだった。桃花の目の前にいる洋平は、スーツをバシッと着こなし、短髪の髪をピシッと固めて、いかにも仕事ができる会社員だ。
「なんか変わったね!」
「桃花ちゃんは変わらないね。すぐわかったよ」
「そう?ねぇ、時間ある?カフェでも行かない?」
「お酒はどう?」
「私は飲めるけど、洋平は飲めたっけ?」
「うん、強いと思う」
こうして二人は飲みに行くことになった。
話題は尽きなかった。相変わらず二人は鉄道好きで、洋平は携帯の画像を桃花に見せながら饒舌だ。会社では共感してくれる人はいないらしい。
「桃花ちゃんはまだ撮りに行ってるの?」
「全然。働き出してから休みは疲れて動けなくて」
嘘ではない。その上、桃花は大学を出てからサークルのことをあまり人に言えなくなっていた。なぜなら、気になっていた同期の男性が桃花のことを喋っているのを聞いてしまったからだ。
「あの感じ、サークルに女が少ないからチヤホヤされてただけで、モテてると勘違いしてたタイプだろ」
ショックだったが、確かにそうだと思った。社会に出てから、他の女性の化粧や服装と比べると、桃花は確実に流行からかけ離れていた。
だからファッション誌を見て少しずつ流行を取り入れたり、化粧も変えたり、自分なりに頑張ってはみた。
すると、周りから褒められることが少しずつ増え、鉄道のことよりも美容に関することに興味が湧くようになったのだ。
「ねぇ、洋平は彼女はいないの?」
「いない、彼女とかいらないし」
「そうなんだ。なんかもったいないね、かっこいいのに」
「桃花ちゃんは?」
「私もいないよ」
「作らないの?」
「うーん、今は特に欲しくない」
「めっちゃスタイルいいのにね」
「ちょっと!変な目で見てるでしょ」
桃花は冗談のつもりで返したが、洋平は違った。
「見るでしょ、憧れの姫だったんだし」
その洋平の一言から、少しずつ二人の何かが変わり始めた。男と女が二人でお酒を楽しんだら、その後はセックスに発展するのが常識。
そんな恋愛のマニュアル本に書いてあるようなことを、二人は完全に信じていた。オタクの思考はやっぱりオタクなのだ。
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