同窓会へ行こうとした私を、嫉妬に駆られた夫が熱く抱きしめてきて… (ページ 2)
「え? 何?」
「だって、菜穂の元彼も来るんだろ? 今日の同窓会」
和智の腕に更に力がこもる。
「だから、行かせたくない」
私はドキリとした。
和智はたぶん、私と元彼が焼きぼっくいに火がつく的な心配をしているのだと思うけど、私からすればそれはとんだ見当違いだった。
元彼との思い出は私にとっての黒歴史だ。
高校2年生の夏、私と元彼はひと月だけ付き合った。
元彼は背が高く、爽やかを絵に描いたようなイケメンで、バスケットボール部のエース的存在だった。
そんな彼がモテないはずはなく。バレンタインには2ケタの女子に告白されるという伝説を残した。
そんな人がなぜか、当時女子カーストの下層にひっそり生息していた地味子の私に、告白をしてきた。
馬鹿な私は、天にも昇る気持ちだった。
だがそれは罰ゲームだったと、後に知らされる。
『俺がお前なんかと釣り合うわけないじゃんwww』
嘲笑交じりに言われたあの言葉を、いまだにはっきり覚えている。
そんな顛末なので、元彼に対しては未練など皆無で憎しみしかない。
今日、私が着飾るのに燃えているのは、元彼を見返してやりたい、逃がした魚は大きかったと後悔させたい、その気持ちでしかない。
「和智の心配してることなんて起こらないよ」
「わかんないじゃん。こんな奇麗な菜穂を見たら、その元彼も『よりを戻そう』って言ってくるに決まってる」
「もしそれを言わせられたら、私の完全勝利だよね」
「ちゃんとお断わりできる? 菜穂は押しに弱いからすぐに体を許しちゃうそう」
「は? そんなの、断るに決まって…」
和智の大きな手が私のフェイスラインに触れて、声を塞ぐように唇にキスをされる。
(リップがとれちゃう…)
そう思ったのは一瞬。
結婚して10年ですっかり夫用に調教されてしまった私の体は、その気持ちよさに頭の中が蕩けてしまう。
抵抗する為に伸ばした私の手は、あっさりと脱力した。
「…んっ」
舌を入れて深いキスをしながら、和智の手が私の背中の肌に触れる。
今日の日の為にピカピカに磨き上げた肌は敏感に、和智の指先の感覚を拾い上げてしまう。
コメント (0)