「私なしじゃいられなくしてあげる」ケーキバイキングで相席になったオールバックの男性は… (ページ 2)

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「あの」

「なぁに」

「……く、口調が」

「あぁ、私素はこっちなの」

あのあと、会話が弾み昼間からワインなんて呑んじゃって、そのままの流れで肩を抱かれると、スイーツバイキングが入っているホテルにチェックイン。

シャワーを浴びるよう勧められ、身体を隅々まで洗い出てきて、違和感に気付く。

「オネェ…さん?」

「ふふ、そう。さん付けはしなくていいわよ」

「え?え?でも私、女」

「私バイセクシャルなの」

「バイセクシャル…」

頬に手を当て話すその上品さに、なんとなく納得する。

ベットに腰掛け状況整理していると、彼はフッと笑った。

「私、新」

「あいなです」

「そう、あいなね」

名前を呼ばれると、胸が高鳴る。

新さんは困ったような顔をして私の前に膝を付いた。

「ケーキを頬張るあなたを見て我慢ができなかったの、いつもは私の素の事を話してからホテルに行くのに。…騙したみたいでゴメンね?」

「いえ、…そんな」

「でも付いてきてくれたって事は、少なからず私を気に入ってくれたってことよね?」

「………」

確かにそうなんだけど、まさかオネエなんて聞いてないし、だけど顔とか性格は超好みなんだけど…!

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