初めてのラブホは赤いX字かせ…わたしの彼はSMチックなインテリ助教 (ページ 2)

車に乗りこんで西山が向かったのは、インターチェンジ近くにある、お城のような建物だった。

朱里の胸の動悸が激しくなった。初めてのラブホだ。ラブホがシティホテルとは違い、ただ、セックスのみを目的とするホテルだということは知っていた。

これは、二人の交際が一段上の段階へと進んだあかしなのだ。胸がざわめく。

西山は車を駐車場に停めると、朱里と手をつないで受付へ向かう。慣れた手つきで操作パネルを叩き、最高グレードの部屋を選ぶと、エレベーターに乗った。

「こっちだ。」

朱里の手を握ったまま豪華な部屋へ入ると、奥の壁際へと導いた。

壁には、大きな赤い柱が斜めに2本、クロスして掛けられていた。

「これは…何?」X形をした柱? 柱の上から何かがぶら下がっている。よくわからないけど、ちょっと怖い。背筋がゾクゾクとした。

「これは、サルタイヤーだよ。」

「サルタ…? 何、それ?」

「斜め十字のことさ。」

彼は上着を脱ぐとベッドに放った。そして眼鏡をはずし、テーブルの上に置く。

「斜め十字…、たしかに普通の十字とは違っているわね。」朱里は体の震えを悟られないように強がって言った。

「ああ。西洋では、十字は太陽の象徴であるのに対し、斜め十字は月の象徴であるとも言われているんだ。」ネクタイを外して上着の上に放りなげる。

「月の象徴…つまり、夜の象徴ってこと? じゃあ、ラブホにぴったりね。」

これから何が始まるのかと緊張するあまり、朱里はクスクス笑い出した。

「うーん、そういう解釈になるかな。」西山はワイシャツのボタンを外した。

「赤い斜め十字はセント・パトリック・クロスとも呼ばれていて、アイルランドの国旗だったんだよ。」襟元をゆるめると腕まくりをする。

「…アイルランド?」朱里は西山を見ながら、もうかすれ声しか出ない。部屋の異様な雰囲気に呑まれ、ドキドキが止まらない…まさか、わたし、興奮している?

「いや、今の国旗じゃない。昔のアイルランド国旗だ。」

西山は、まるで学生に講義をするように、よどみなく話しながら、今度は朱里の服を脱がせにかかった。

ブラウスのボタンをまたたく間に外すと、ブラジャーを押し上げて頭から引き抜き、スカートのホックを外し、ストッキングとパンティも一緒くたにして一気に引き下ろした。朱里はあっという間に裸にされた。

「ユニオン・ジャックというのは、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の国旗のことだって知っているね?」

乳首を指先ではじかれると、朱里は西山にしがみつき、小さくあえいだ。

西山は満足そうに微笑むと手を伸ばし、ぶら下がっていた鎖を引き下ろし、先についた腕輪のベルトを外した。

朱里は、西山が手にした拘束具を見ると、小さく震えた。ああ、わたしはここに…はりつけにされるの。

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