ほんのおふざけのつもりが、幼馴染とのじゃれ合いは危険な香りを含み始め…。

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ほんのおふざけのつもりが、幼馴染とのじゃれ合いは危険な香りを含み始め…。 (ページ 1)

「見てコレ、めちゃくちゃ可愛い~」

千春はアルバムに整理された写真の1枚を指さす。

それにはあどけない男の子が写っていた。

4~5歳くらいだろうか。

ばっちりカメラ目線で満面の笑顔を浮かべている。

「おうおう、可愛いだろ。まあ、俺だからな」

そんな軽口を叩くのは、確かに写真の男の子本人ではあった。

しかし10数年後の姿だった。

あの頃の丸みはなくなり、背丈は170後半台。

程よく筋肉のついた体格をしている彼は、すっかり男の子のから男に成長していた。

「時の流れを目の当たりにしてるよ」

千春はわざとらしく肩をすくめた。

「うるせ」

彼、奏斗はせっせと動かしていた手を止めて、千春に振り向いた。

「てか手伝いに来たんじゃないのかよ」

奏斗は大学を卒業して無事に就職も決まったため、社宅への引っ越しが決まっていた。

今日は今住んでいるところの片付けをしている最中で、千春はその手伝いと称してやって来ていた。

「えへへ、ごめんごめん」

少し手伝っていたのだが、アルバムを見つけたため、ついついベッドに腰かけて見入ってしまっていた。

千春はいそいそと少し離れたところにあるダンボールにアルバムをしまおうと歩き出す。

早足だったせいか、途中で別のダンボールを蹴り飛ばしてしまった。

「あっ、ごめ…」

蹴り飛ばしたダンボールには衣類が入っていたらしく散らばってしまう。

慌てて元に戻そうとして、千春は箱の底に雑誌が何冊か入っていることに気がついた。

衣類の下に、まるで隠しているかのように入れられていたそれはもしやと思い、手に取ってみると…。

やはり、表紙には【成人向け】の表記が。

そして表紙絵も肉欲的なものだった。

「わーおー」

ニヤつく口元を抑えながら、千春はぺらりと本をめくる。

1ページ目から激しく交わる男女が描かれていた。

「ん? 何して…」

奏斗が状況を理解する頃には、千春は何ページ目かをめくった後だった。

「ままま!」

焦りからか驚きからか、奏斗は意味もない言葉を発して千春から本を奪おうとする。

千春は奪われまいと抵抗しながら、なおもページを進めていた。

「すごーい」

「何が、すごーい、だ! …このっ」

奏斗は手強く抵抗する千春の脇下に手を滑り込ませ、くすぐりだす。

「ひぃっ」

千春は流石に耐えきれず本を手放した。

奏斗のくすぐりから逃れようとするが、一筋縄ではいかなかった。

「んふ、ふふっ…ふぁ…やだぁ」

くすぐったさのあまりに体をよじって逃げるのに必死だったが、ふと気づけば彼に組み敷かれるような体勢になっていた。

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