中学校の同級生の彼と再会。子犬のような笑顔の彼と優しくラブラブH (ページ 2)

 そう、わたしは彼にすっかり恋をしてしまったのだ。

 子犬みたいな笑顔、わたしを包み込むかのような言葉、優しい所作。柔らかくて、ふわふわとした愛情を与えてくれる彼に、わたしは恋心を抱いていた。

 わたしは逸る気持ちを抑えて、彼をデートに誘った。友人からおすすめだと聞いたレストランで食事をしたところで、わたしはそっと切り出した。

 「あのね、わたし……」

 「待って、由香ちゃん。俺から言わせて」

 「え? な、なにを……?」

 彼はわたしの目をじっと見つめた。見つめられると身体の奥底から熱が溢れてくるような気持ちになる。わたしは目を逸らしたい気持ちを我慢して、彼の言葉を待った。

 「俺、由香ちゃんのことが、好きだ。ほんとうはずっと前から、中学の時から好きだったんだ。でも昔の俺はイケてなくって……。だから、由香ちゃんに見合うような男になろうって今まで頑張って来たんだ。そして、こうやって奇跡的に同じ大学で出会って……。ほんとうに、嬉しかった。運命だってさえ思った。だから……由香ちゃん、俺と付き合って、くれませんか?」

 わたしに、ノーと言う気持ちなんてさらさらなかった。そんな真摯な告白を聞いて、断れるわけがない。わたしのために、何年間も努力して、わたしを想い続けてくれた。そんな優しいひとに愛されている。わたしはこの上なく幸せだった。

 ぽろりと涙が頬を伝い落ちた。

 彼はわたしの手を取ると、そっと手の甲に唇を落とした。まるで王子様のような振る舞いにわたしが呆然としていると、彼は少し照れくさそうに笑った。その様子に、なんだかわたしもおかしくなってしまって、くすくすと笑い声を漏らさずにはいられなかった。

 レストランでの食事を終えると、辺りはすっかり暗くなっていた。

帰りたくなかった。結ばれて、心はぽかぽかと温かいのに、もっともっとと貪欲にわたしは彼の愛情を求めてしまう。わたしはどうするべきか迷ってしまった。このまま手を伸ばせば、彼を引き留められる。けれど重たい女は嫌かな、と迷っていた。そのとき。

 不意に腕を引っ張られた。たまらず目を閉じると、彼の太い腕に抱かれたことに気付く。彼は頬を真っ赤に染めて、わたしにこうささやいた。

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