「コーチもたまには一緒に泳ごうよ」夜のプールに引きずり込まれて熱くなるのは… (ページ 2)

ーーー××時ーーー

そろそろプールも終わる時間。

着替えを終えた人が次々と帰っていく。

私も片付けを終えてプールを振り返った。

そこには1人、まだ泳いでいる人がいた。

「亮。そろそろ上がったら?」

声をかけるが泳いでいるからか聞こえていないようだ。

(泳いでいる時は真剣なんだけどなぁ)

仕方なくプールサイドに近付いた。

そしてゴール付近で待つ。

バシャッ

勢いよく亮が顔を出した。

目の前に私がいてビックリしている。

「そろそろ閉めるから上がって?」

すでに皆着替えも終えて私達を待っていた。

これ以上待たせる訳にはいかない。

急いで上がらせようとする私を見て亮が言った。

「もう少し、ダメ?」

「時間が時間だから…。また明日頑張ろう?」

「なんか…、コツが掴めそうなんだよなぁ…。」

ボソッと亮が言った。

私だってもう少し泳がせてあげたい。

でも一従業員の私には何も出来ない。

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