変な部屋に好きな人と閉じ込められた。セックスしないと出られないからやっちゃおう!?

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変な部屋に好きな人と閉じ込められた。セックスしないと出られないからやっちゃおう!? (ページ 1)

〇〇しないと出られない部屋

最近ネットでそういうのをよく見るようになった絵里は、興味半分でそれを見ていた。

――が、それが現実になるなんて、想像もしていなかった。

「絵里、起きて」

真吾に呼ばれて、眠っていたことに気付いた絵里は、ある看板を見て眠気なんて覚めてしまった。

『セックスしないと出られない部屋』

そう、書かれていたのである。

「これ、どういうこと?」

「俺もわかんねえ」

真吾はそう言って、重い溜息を吐いた。

それを見た絵里は、心の中で落胆した。

絵里は真吾のことが好きなのだ。

けれど彼にとって自分は、気を許せる女友達なのだろう。

断られて、関係にヒビが入るのが怖くて、告白できずにいた。

マイナス思考だな、と絵里が思っていると、

「でも、言葉の通りだとしたら…………」

真吾がそう言った。

「ゆ、夢でしょ。こんなの。ファンタジーじゃあるまいし。あたし寝るわ。ちょうどいい大きさのベッドあるし」

というか、この部屋はベッドしかない。

他にティッシュペーパーとコンドームはあるのだが、家具はベッドだけだった。

そうなるとやはりやることをしなければいけない……、とは考えたくなかった。

看板に書かれているとおり真吾とセックスしたとして、この部屋から出た後、自分はどう対応すればいいのだろう。

普段と同じように振舞える自信がないから、男友達という関係も崩れてしまう。

それだけは嫌だった。

だから絵里はベッドにごろりと横になり、目を閉じた。

本当に夢でありますように、と願って。

しかしすぐに眠れるはずもない。

夢なんだから早く覚めてくれ!

そう思っていると、驚くべき言葉が絵里の耳に入ってきた。

「俺は……いいけど」

思わず、

「はあ!?」

と、すっとんきょうな声を上げて、起き上がってしまった。

「ゆ、夢なんだろ、これ。だったらさ、いいじゃん。現実じゃないんだから」

それを聞いて絵里は気づいた。

夢と現実をごちゃ混ぜにしていたのはあたしのほうだ。

変な夢ではあるのだ。

自分の意志で、自分の体を動かせるみたいだし。

こんな夢を見るのは初めてだけれど、起きたときには忘れてしまっているかもしれない。

絵里は夢を見ていたとしても、起きると覚えていないことの方が多いのだ。

だったら、自分の気持ちを素直に言っても大丈夫だろう、と思って、言ってみた。

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