無愛想で腹が立つ先輩の心中を目の当たりにして…甘くイジワルに愛される (ページ 5)

緊張するようなお店じゃないのに、全然落ち着かない。

理由はのべるまでもない、目の前にいる彼だ。

長谷川さんはずっとケータイをいじっている。

うつむいたまま、こっちを絶対に見ない。

やっぱり、私とご飯食べるの嫌なのかなぁ…。

おかしな話だ。

いくら今まで、ごはん奢ってくれなかったとはいえ、自分から誘っておいて一言も喋らないなんて。

そんなことを考えていたら、ちょっと腹立たしくなった。

イライラしたらお腹が減った。

そこへちょうどよくハンバーグが来た。

当然、私はもぐもぐ食べた。

こどもみたいに食べた。ストレスを食にぶつけてる感じすらした。

「春野、お前、うまそうに食べるな。」

え…。

恐る恐る前をみると、あの長谷川さんとしっかり目があってしまった。

「俺もそれ、食べたい。」

そういうとおもむろに私のハンバーグを切り始めた。

嘘でしょ…。

他人のハンバーグを向かい側から切ってくる行動もさることながら、

それをあの長谷川さんがやってのけている。

ミラクルだ。

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