いくら月日が経とうと忘れられないイケない想い (ページ 2)

大翔の着任の挨拶が終わり、皆それぞれのデスクに戻り仕事を始めた。

大翔から見えない位置にいる亜美は黙々と仕事をする。

そして何事もなく一週間が過ぎたある日…亜美は先輩から大翔のヘルプに入るように言われた。

「仕事だから大丈夫。何も起こらないよね…」

亜美は大翔が待つ打ち合わせ室に入った。

「失礼します」

亜美の声に、大翔は振り向いた。

そして部屋のブラインドをすべて下ろす。周りから見えない部屋には亜美と大翔の二人きり。

「亜美…久しぶりだね」

昔と変わらない笑顔で亜美に近づいた。

「あの…私は何をすればよいのでしょうか?」

大翔の笑顔にときめきながらも、亜美は平静を装う。

「こうでもしないと、亜美と話ができないから…なぁ、元気にしてたか?」

「何の話ですか?仕事がないのなら私はもう失礼します」

部屋から出ようとする亜美の腕を、大翔は力強く掴み、そのまま抱き寄せた。

「やめてください」

亜美が抵抗すればするほど、大翔の腕の力は強くなる。

10年前と同じ匂い。

気がつけば、大翔に唇を奪われていた。

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