突然の遠距離恋愛宣言に涙する私に彼は…切なくも甘い約束【前】 (ページ 3)

彼は美緒の反応に驚き、しどろもどろになっていた。

「だ…だって、息苦しいとか何とか言ってたから…」

「えっ?ま、まさか聞こえてたの!?」

まさか心の声が漏れていたとは…

途端に恥ずかしくなり、カッと全身の熱が上がった気がした。

―ガタンッ

何だかその場にいるのが恥ずかしくなり思わずその場に立ち上がったが、

急に世界がグラグラと揺れ始め、頭がズシンッと重くなった。

―これは・・・!

「うっ…」

「えっ?」

急に顔を顰め、手で口を覆った美緒に拓也は嫌な予感がした。

そして、その嫌な予感は的中してしまった…

―その後の話は、敢えてここでは伏せておこう。

今でも不意に思い出すと可笑しくて笑いが込み上げてくる。

「―あのときから、もう2年も経つんだな」

「あのとき?」

「美緒のゲロゲロ事件」

「ちょ!止めてよその話はっ」

美緒はバシバシと拓也の背中を叩いた。

拓也は笑いながらも眉を潜める。

「アハハッ。痛い、痛いよ美緒」

「もう、拓也が変な話するから何話してたか忘れちゃったじゃん…」

「いいよ、忘れて」

「嘘!忘れるわけないじゃん!・・・どこ、留学するの」

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