仕事で大失敗した私は憧れの上司に呼び出されて…お説教を食らうかと思っていたのに優しくされて
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仕事で大失敗した私は憧れの上司に呼び出されて…お説教を食らうかと思っていたのに優しくされて (ページ 1)
やらかしてしまった。
元々無理なスケジュール設定ではあったけど、上司とのコミュニケーション不足だったのは私のミスだ。
詳細な打ち合わせをせず、勝手に判断して、勝手なアプローチで進めてしまい、結果的には方向性の違いのため、一からやり直し。
チームに思いっきり迷惑をかけてしまった。
憧れの上司とやっと一緒に仕事ができたのに、迷惑かけたくなくて、突っ走ってしまって、逆に迷惑をかけてしまい、今日は仕事終わりに居酒屋に呼び出しを食らった。
*****
「お疲れ様です…」
「お疲れ様。何飲む?俺はビール」
「あ、じゃあ私も同じものを」
オフィス街から通り1本抜けたとこ。想像していたような大衆居酒屋ではなく、個室の落ち着いたお店だった。
人前でお説教されるのはみじめだったので、個室は本当にありがたかった。
「あの、今回の件、本当にすみませんでした…」
「無理なスケジュールで投げたのは俺だし、相談しにくかったのも俺のせいだろ?謝んなくていいから」
うわぁ、絶対叱られると思ってたのに、優しい。さすがは社内人気ナンバーワン。
オシャレなお店でお説教でもなくて、これはご褒美すぎやしませんか。
「今日はお説教されるんだと思ってて」
「お前が頑張ってるのはちゃんと見てたから。それよりもっと何でも話せるような距離感作らないとダメだなと思って誘ったの。上司からの飲みの誘いなんて気が重かっただろうけど」
「そんな!お誘い、とっても嬉しかったです!」
お説教食らうのは気が重かったけど、こんな優しくされて、憧れの人と2人っきりだなんて、幸せすぎる。
「正直、ずっと2人で話してみたいって思ってたんだけどさ、誘う勇気なくて」
「えっ、なんでですか」
「お前モテるし。付き合ってる奴くらい居るだろうし。会社のヤツに見つかったら面倒だし」
「モテないですし、彼氏もいません。何なんですかそのイメージは」
だいぶ誤解されている気がして思わず笑った。
運ばれたビールを受け取って、軽くグラスをぶつけて乾杯する。
緊張の解けた体に冷たいアルコールが心地よい。
「ほんと、自覚ないよなぁ」
一気にビールを飲み干した彼が独り言のようにそう言った。タッチパネルで追加のビールと食事を選ぶ。自然と距離が近付いた。
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