家族旅行の夜、ずっと憧れていた素敵な義兄に突然抱きしめられて…崩壊。

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家族旅行の夜、ずっと憧れていた素敵な義兄に突然抱きしめられて…崩壊。 (ページ 1)

大自然の中、トレーラーハウスでバーベキュー&宿泊旅行!
両親と姉夫婦、そして夫。毎年恒例のイベントだが、静香はいつも心待ちにしていた。
「和哉さんに会える…」

今は転勤で遠くに住む姉の夫、和哉は静香の初恋の人だった。
姉の婚約者として紹介されたのが初対面だったから、同時に失恋してしまったけれど。
しかし自分が結婚し人妻となった今でも、やはり和哉に会う時は少しときめいてしまう。

*****

「久しぶり!」
笑顔の和哉は、相変わらず素敵だった。バーベキューでも率先して手伝い、取り分けてくれる。
それら全てを静香にも両親にも気を遣わせないよう、スマートにやってのける。
年下のせいかどこか依頼心の強い夫とは違う、大人の余裕が眩しかった。

夜、子供を寝かしつけた後、ゲームに興じる夫とは会話もする気になれす、外に散歩に出た。
辺りは静かで、人気はない。星だけが美しく輝いている。空を仰いで眺めていると不意に背後でガサッと物音がした。

「?!」
「ごめん、驚かしちゃった?」
和哉だった。

「なんだ、和哉さんかぁ~びっくりした」
「静香ちゃんは一人でお散歩?」
静香はドキドキした。散歩に出てよかった!

「そう。何かまだ寝れないし…退屈だし」
「そっか。でも…夜の一人歩きは危ないよ」

今日は三日月。薄い月明かりの中の和哉の顔はやはり素敵で、もう鎮めたはずの思いが高まるのを感じた。
その瞬間。

「静香ちゃん…」

静香は何がおこったかとっさに分からなかった。それくらい瞬時に、和哉によって抱きすくめられていた。
まるで獲物を捕らえるように。

「静香ちゃん…前からずっと好きだったんだ」
耳元に和哉の息がかかる。まさかの言葉。信じられない…でも。

「うれしい…」
姉の顔が一瞬浮かんで、消えた。ごめんなさい。でも。私はこのときを待っていたのかもしれない。

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