掌に男の本能を感じて…クールで真面目な旦那様と久々の甘い夜 (ページ 5)

「あ、あっ…」

私の脚を折り曲げて、胸にくっつけるみたいにして、奥を狙ってくる。

これをされると私は、中でどうしようもなく感じて、悲鳴を上げてしまう。

樹くんの限界が近いのも、わかった。

私は彼の首に腕を回して、キスをねだった。

最後の喘ぎは、お互いの口の中で弾けた。

「ゆうべの、何?」

翌朝、不思議そうに樹くんが訊いた。

朝食を運んでいた私は、言葉に詰まって赤面する。

「あの…」

「子供でも欲しくなった?」

直球な推理に、がく、と脱力した。

仮にそうだとしても、相談もせずにあんなこと、しないよ…。

魔が差した、で許されるかなあと考えているうちに、出なきゃ、と樹くんが席を立った。

「明日の夕方には帰る」

「夕食作って待ってるから、連絡して?」

「ん」

玄関先で見送る私をじっと見下ろすと、樹くんはいきなり、唇に軽いキスをした。

こんなことをされたのは初めてで、私は固まった。

「子供、美咲が欲しいなら、俺もちゃんと考えるから、言って」

「考えるって」

「金のこととか、あと煙草も、減らすかやめるか、するし」

ちょっとばつが悪そうにそう言うと、じゃあ、と出ていく。

心なしか照れくさそうな背中を見送りながら、幸せに浸った。

どうやらうちの旦那さまは、クールなあまりちょっと鈍かったりするけど。

真面目で、この上なく愛おしい。

違う?

-FIN-

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