声が響く夜。漏れる声と冷静な声、響いているのは声だけじゃなくて!?

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声が響く夜。漏れる声と冷静な声、響いているのは声だけじゃなくて!? (ページ 1)

「そうそう!先輩ったら、そんなこと言うのよ」

今日起こった出来事を、みくるは興奮気味に彼氏であるタカに話していた。

寝る前の時間は大体こうしてタカと電話をして過ごす。

「それは面倒だったなぁ。うまくかわしたもんだね」

「でしょ?気を遣って疲れちゃった」

頬を膨らませてみくるはため息をついた。

「今日は本当に疲れた!ねぇタカ、甘えてもいい?」

「急にどうしたの。できることならなんでもどうぞ」

タカはみくるより5歳年上だ。

いつでも冷静で、どんな時でもみくるを受け入れてくれる。

みくるは、特に何か言いたいことがあるわけではなかった。

甘えていいか聞いて、許可される言葉を聞きたかったのだ。

「みくるが甘えていいか聞くなんて珍しいな。どうした、言ってみろ」

「ううん、実は特にお願いがあるわけじゃないの。甘えていいか聞きたかったんだ」

「可愛らしいことを言いますねぇ。ん?お母さんたちまだ起きてるのか」

みくるの家族は、リビングでテレビを見ながら大声で笑っている。

きっとその笑い声がタカに聞こえたのだ。

「そうなの。みんなこれからお風呂だから、まだ結構起きてるつもりなのかもね」

「そっか。みくるはまだ眠くないの?大丈夫?」

優しい声でタカはみくるを気遣ってくれる。

「大丈夫。…やっぱりお願いがある」

「なぁに」

言いにくい、と思いながらみくるは勇気を小さな声に変えてみた。

「あのね、エッチしたいの」

「おっと。疲れてそっちのスイッチが入っちゃったのかな」

「もう!頑張って言ったんだから、ふざけないで」

「ごめんごめん、ふざけてないさ。もう俺はお酒飲んじゃってるし、そっちには行けないじゃない。そういう意味でいいのかな」

言ってみたものの、みくるは恥ずかしくなって黙り込んでしまった。

どうしよう。

タカに言わないで1人ですればよかった。

「みくるちゃん」

ちゃん付けで呼ばれることなんて滅多にない。

タカが何か企んでいる気配を感じて、みくるは期待した。

「今日何色の下着か教えてよ。お兄さん想像してあげる」

来た。

タカは乗り気になってくれている。

「お返事はどうしたのかな」

みくるは、そっと目を閉じた。

「今日は水色の上下セット。タカが好きなやつ…」

「おお、あれか。じゃあ俺が言う通りに手を動かして」

タカの声が体に響いていく。

「はい」

「そのブラ、ふわふわなレースが付いているじゃない。それを潰さないつもりで、上から優しく胸を掴んでみて」

言われるまま、みくるはそっとブラごと片方の胸を掴んだ。

片手は携帯電話を耳に押し当てたままだ。

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