「成人式の日に展望台の上で」口約束が守られた時、想いを伝え合うのは― (ページ 2)

式のあと、当然のようにセッティングされていた飲み会を断った。

スーツを着ていたので、仕事があるから、という言い訳が通用してしまった。

そして、私は今、よく良介と学校をさぼった公園の展望台にいた。

いつの間にか夕方になっている。

わかってる。良介は来ない。

あんな口約束、当てにする方が間違っている。

でも、それで良かった。良介が来ないことで、五年の想いを昇華させられる。

そう思っていた。

展望台から変わらない景色に心奪われていた。

そう、たとえば後ろにいつの間にか誰かがいることにも気づかずに。

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