イケメン上司に連れ込まれた薄暗い資料室、溢れ出す蜜音と淫靡な吐息 (ページ 5)

「はぁはぁ」

「苦しくないか」

そう言う彼はとても優しく柔らかい顔をしている。

危険な情事に、全ての感覚が敏感になった。

律動が早くなり、果てる瞬間、思わず大きく喘ぎ声を上げてしまった。

その時丁度、二人の男性社員が廊下を通りかかった。

「今、女性の悲鳴聞こえなかった?」

「あぁ、なんか聞こえたかも」

「くっ!」

青木課長が呻く。

音のない、しなやかな口の動きだけで締め付けすぎ、と甘く抗議する

焦って私の蜜穴が引き締まり彼を苦しめたようだ。

「ん? また聞こえた」

「今度は男の声か?」

廊下では資料室に入る入らないで揉めている。

私たちは動きを止め、息を殺す。

勿論、繋がったまま。

青木課長の浅く速い呼吸が耳に触れる。

背中がゾクゾクし、不謹慎なことに腰を動かしたくなった。

「ガチャ」

ドアノブが回転し、廊下の明かりが部屋に細い筋を作る。

「っ!」

心臓の音が相手に聞こえそうなほど全身に響く。

明かりの筋は、窓際にいる私たちの足元まで届きそうだ。

その時、片方の男性の携帯電話が鳴り、結局ドアはそれ以上開けられずに、男性社員二人はその場を離れた。

どうやら気づかれなかったようだ。

抱き合ったまま大きなため息をつく。

「もう! 見つかったらどうするんですか?」

「俺は見つかっても覚悟ができている。誰かに奪われる前に俺のものにする」

「もう……」

「そんな顔をしても、可愛いだけだぞ。続きは家でだ」

 

この数日後、私は素敵なレストランで青木課長にプロポーズされた。

-FIN-

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