色鮮やかな花火に照らされながら、立ったまま後ろから貫かれる私。久しぶりのセックスに最後は膝から力が抜けて……

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色鮮やかな花火に照らされながら、立ったまま後ろから貫かれる私。久しぶりのセックスに最後は膝から力が抜けて…… (ページ 1)

そのポスターを見た日から、ずっと楽しみにしてきた夏祭りの日がついにやって来た。

お互い仕事は忙しいがスケジュールを調整して、公博と佳澄は駅で待ち合わせと決めた。

佳澄はこの日のために選んだ浴衣を着て、はしゃぐ心が顔に出ないように注意しながら家を出た。

待ち合わせの駅で人混みを泳ぐようにして合流した二人は、はぐれないようにしっかり手を繋いで、露店がずらりと並ぶ大通りを目指す。

「ここもすごい人だなぁ」

「覚悟はしてたけどね」

「適当に見て回ったら、俺んちに戻ろう」

「真正面に花火だっけ。楽しみ!でも今はあのかき氷を楽しみたいな~」

「何味がいいですか、お嬢様?」

「レモン味にするわ。公博も好きなものを買いなさい」

わざと交わした気取ったやり取りに笑い合い、かき氷の露店の列に並んだ。

その後も露店巡りは続き、チョコバナナやアメリカンドッグ、射的、ヨーヨー釣りなど一通り楽しんだ。

二人とも日々の厳しいスケジュールを忘れて、子供に帰ったかのように遊び、たくさん笑った。

こんなふうに心から楽しくて笑ったのはいつぶりだろう、と佳澄は思った。

仕事に追われて、家に帰っても疲れて寝るだけだからではない。

というのも、佳澄と公博は少し前にケンカをしてしまったのである。

それ以来、お互いに連絡を取り合うこともなかった。

だから、この夏祭りは仲直りのための絶好の口実だったのだ。

「お祭りでの買い食いって、なんでこんなにおいしいんだろうね」

「やっぱ、この楽しい雰囲気じゃないか?」

さっきまで手を繋いだだけだったのに、今は佳澄の腕が公博の腕に絡まっている。

不意に、佳澄は公博から軽くキスをされた。

佳澄は驚いて目を丸くする。

「チョコがついてたから」

「嘘ばっかり……!」

「ははっ、かわいかったから、つい。大丈夫、みんな自分たちのことで頭がいっぱいだから、誰も見てないよ」

「もう」

佳澄は、恥ずかしさを怒ったふりをしてごまかした。

公博は悪びれたふうもなく笑う。

それからもう少し露店を見て回りながら、公博の家での花火観賞の時につまめるものを買い込んだ。

公博が住むマンションへ行き、部屋のドアを開けると閉め切っていたために籠ってしまった熱気が、二人を迎えた。

しかし、その不快な熱気も、エアコンをONにすれば間もなく部屋から取り払われるだろう。

文明の利器の恩恵を受けながら、買い込んできたものを盆に乗せて窓際に置いた。

まだ冷えているビールのプルタブを開け、公博が陽気に音頭を取った。

「特等席へようこそ、カンパーイ!」

「ご招待ありがとう、カンパーイ!」

佳澄も応えて、公博の缶と軽く打ち合った。

喉が渇いていた佳澄は、一気に半分ほどまで飲んだ。

公博も、景気よくあおっている。

あのね、と佳澄が話しかけようとした時、ドンッという胸に響く衝撃音と共にパッと外が輝いた。

「お、始まったな。電気消すぞ」

立ち上がった公博が部屋の電気を消すと、二発目の花火の光がより鮮明に室内と二人を照らした。

ビール缶を置いて立った佳澄は、窓に張り付いて花火を見上げる。

「本当に特等席だね。予想以上!」

「だろ?よかった、喜んでもらえて」

「綺麗……それに大迫力!」

佳澄の声が弾む。

隣に並んだ公博に肩を抱かれると、そっと寄り添った。

定番の花火に加えて工夫をこらした花火が次々に打ち上げられ、佳澄は絶えず歓声を上げる。

見上げた公博の顔を、色とりどりの花火の光が照らしていた。

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