公言のできぬ秘めたる逢瀬、命を懸けて愛し合う二人の物語 (ページ 3)

「紫乃さん、今度は僕もお願いします」

ようやく股間から顔を離した博文は、自ら着物の裾を開いて紫乃の胸に跨り、雄々しい男根をしっとりと汗ばんだ双丘に挟んだ。

「まずは亀頭だけを口に……あぁ…そうです、お上手だ…」

紫乃は恍惚とした表情で、言われるより先に赤く膨れた鈴口を口に含んだ。

「んぅ…っ、ふ…」

「舌をもう少し…ぅっ、はぁ…紫乃さんっ…」

尿道口を舌で擽れば、博文の口からは熱い吐息が零れて、胸の上に位置する引き締まった腰は自然と前後に動き出していた。

「……いやらしいですね、重みのある豊かな胸で僕のイチモツを上手に挟んで口で扱いて…」

「んっ…ンンッ」

博文は腰の動きを早め、大きな乳房を揉みしだきながら男根を紫乃のより喉奥の方まで押し込んだ。

「離さないでくださいよ…」

「んぐっ…ッ……はぁっ、んむぅ…」

「……苦しくたって、どうせ兄さんの竿もこうして咥えていたのでしょう？」

少し息を荒げた博文が強い言葉を発する。

鋭い目つきとは裏腹に、優しく頬を撫でる手は紫乃の目尻に溜まった涙を決壊させた。

どの感情がそうさせた涙なのかはわからない。

わからないまま、切なく表情を歪ませた博文は急速に腰を早めた。

「んぅっ……ッッ！」

「ごめんなさい紫乃さん、これが僕の本心だ。兄が……僕からあなたを奪った兄が憎くてたまらないっ……くっ」

口淫の息苦しさにもがく紫乃の頭を掴み、博文は愛と劣情に満ちた支配欲を一気に小さな口の中に撃ち放った。

「っ…んく、ん…はぁ…博文様…」

その全てを呑み込んだ紫乃が、頬を真っ赤に上気させ涙目で博文を見上げた。

「少し…意地悪が過ぎましたね」

「いいえ…悪いのは私です。博文様のお気の済むまで、どうかこの紫乃を思う存分責めてください…」

「紫乃さん…」

距離の縮まった二つの唇が早急に重なる。

舌を絡め合う儚い水音が、口づけが深まるにつれ嵐のように蔵の中で繰り返し響く。

「…っ、はぁ…紫乃さんっ…」

「ん…博文…さまぁっ」

糸を引くほどに唾液を交換した口づけはゆっくりと離れ、互いに名残惜しむ視線は外さずに、博文は熱を取り戻した硬い男根を紫乃の蜜壺にあてがった。

「紫乃さん…あなたの口から聞きたい。僕を欲す言葉を…」

何度身体を重ねても…決して口にしてはいけない言葉だと…

二人は戒めのように噤んでいた。

「……わ…たしは、心から博文様をお慕い申しております」

「もっとです」

「他の人などいりません…博文様だけを想っていたい…」

「もっと…」

「博文様が……貴方が欲しいのですっ…ッァァ！」

言葉を言い終わる前に、博文は紫乃を一気に貫いた。

「僕も…紫乃さん、貴女を本当に慕い、心から愛しています」

「あっ…んぁ、っ……アァッ」

「紫乃さんの全てを僕にくださいっ…」

「はぁ……あぁぁ…ッッ！」

狂ったように腰を打ち付ける博文が紫乃の最奥を突き上げた。

紫乃は激しい欲望の打ち付けに翻弄されながらも、強い快感に身も世もなく啼き、白い足袋の爪先を宙で大きく揺らした。

初めて口にすることが出来た愛の言葉に、二人は熱く濡れ、身を焦がすようにしてお互いを激しく求めた。